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Posted by 中 相作 - 2017.08.19,Sat
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毎日新聞
 平成29・2017年8月16日 毎日新聞社

鳥羽・江戸川乱歩館|「孤島の鬼」愛の言葉、パネルで 岩田準一への手紙の実物も /三重
 林一茂
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鳥羽・江戸川乱歩館

「孤島の鬼」愛の言葉、パネルで 岩田準一への手紙の実物も /三重

毎日新聞2017年8月16日 地方版



小説「孤島の鬼」の告白文パネルに囲まれ文庫本を手にする岩田準子館長

 鳥羽市の江戸川乱歩館は、乱歩(1894~1965年)の傑作とされる同性愛小説「孤島の鬼」に書かれた愛の言葉のパネル展示を始めた。小説の文庫本や漫画、乱歩の手紙の実物なども並ぶ。

 孤島の鬼は、1929年から翌年にかけ、大衆雑誌「朝日」に連載され、改造社から単行本として出版された。主人公の青年の恋人が刺殺され、青年が事件解明のため、自らに「愛情」を抱く6歳年上の男性外科学者と共に南紀の孤島へ向かうと、想像を絶する悪夢が待ち受けていた--というあらすじ。

 パネルは12枚。外科学者が主人公に切々と語った「君は美しい」「僕の死にもの狂いの恋を受け入れる情はないのか」「どうか僕から逃げないでくれ給(たま)え。僕の話相手になってくれ給え」などの言葉が記されている。

 乱歩は青年期の一時期、鳥羽市の造船所に勤務し、風俗研究家の岩田準一(1900~45年)と交流を深め、男色研究などを行った。孤島の鬼は岩田との出会いがなければ誕生しなかったと言われている。

 展示中の手紙は、1940年に乱歩から準一に宛てた実物。男色に関連した書簡や、独身時代に坂手島出身の妻、隆(1897~1982年)と交わした恋文を焼却する旨を伝えている。

 岩田の孫の準子館長(49)は「外科学者の魂の告白は、乱歩が読者に贈った究極のラブレターでもある」と話している。午前10時~午後4時半開館(火、水、木曜は休館)。入館料300円。【林一茂】

〔三重版〕
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