Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2017.06.24,Sat
録画であれ、録音であれ、あるいは活字に起こしたものであれ、自分が喋ったことを突きつけられるのは、なんともいやな感じのものです。
小学館の江戸川乱歩電子全集に附録としてぜひ私のインタビューを収録したい、なんてことになって、今年1月にこのお店で取材していただきました。▼cafe*mjuk:Home
で、おととい、テープを、というかレコーダーを起こした原稿をメールで届けていただいたんですけど、なんかもう無茶苦茶です。
ほんとにいやになります。
どんな感じかというと、こんな感じ。
――名張図書館の歴史は、そのまま「名張図書館・乱歩文庫」の歴史ですね。
中 そうですね。ただね、お役人というのは、現場のことがわかってないんです。(名張あたりで図書館のお役人やってるような人というのはほんまにアホなんです(笑)。お役人というのはまあレベル低いんですね。この辺のレベルで言うと、まあ給与は高いんですけども、おつむのレベルは低いんです。特に図書館の館長とかいうと、お役所の出世コースとは完全に縁のない存在なんですね。つまりあそこはどうでもええから、図書館の館長でもやらしとけという人がね。お役人言うたかて、)。お役人の中で出世コースを爆進して、位人臣を極めましたというような人でも、世間ではそれはただのアホですからね(笑)。あんな役に立たんのはないですよ、ほんとに。もう腹立ってきます(笑)。とにかく本読まん人が図書館長になったんですね。だから乱歩関連資料を収集しましょうという場合に、どうしても陳列とか展示のレベルでしか考えられないんです。本を読んでそれで何かをするというのがない。図書館の役割とかいうのもようわかってないんです、要するに無償貸出でいいんじゃないかというぐらいの認識しかないんですね。ですから古本屋の目録で乱歩の本を適当にたくさん買い集めるんですけれども、そのリストを作ることさえ気がつかないんですね。買うて来るでしょう。一番裏の見返しに、どこどこ書店で何ぼで買うたって書いて、で、ぱっと棚に入れて終わりなんですね。書誌データを記録していくとか、あるいは乱歩がどんな本を出してるかを調べるとか、そういうことはまったく考えていないんですね。ただ本を並べて、ちょっと平井隆太郎先生のところに行って乱歩の文机を借りてくるとか、マントをお借りするとかして、おしまい。どちらも、平井家から図書館に無償永久貸与というかたちでお借りしているんですが、それで小さな、小さなコーナーを作って、「一丁あがり!」。これでは、市民の税金使って本買ってるのに、怒られますよ。
活字に起こしてくれた編集スタッフのかたが、このあたりは削ったほうがいいのではないか、とアドバイスしてくださってるんですけど、なんのなんの、一歩も引かぬぞ。
ただまあ、意味の汲みにくいところやテンポのよくないところには手を入れて、一篇のウェルメイドな話芸として仕上げたいとは思います。
たとえば、
「お役人というのは、現場のことがわかってないんです」
というのはいったいどういうことか、どういう事態を念頭に置いてこんなことを口走ったのか、いまとなっては私にもわかりません。
そもそもお役人のみなさんと来たら、現場のことだけでなく何もかもわかっておらんわけですが、とにかくちょっと手直しをする必要があると思われます。
はたまた、
「お役人の中で出世コースを爆進して、位人臣を極めましたというような人でも、世間ではそれはただのアホですからね(笑)」
とありますところ、意味は汲めますけどテンポがいけない。
ですから、
「入庁以来お役所の出世コースをしゃかりきで驀進し、恥ずかしながら位人臣を極めてしまいましたゆうよなお役人でも世間へ出したらただのあほですからねあんなもん。はははは」
みたいにすればいいんじゃないかと思います。
あるいは、乱歩の「虫」みたいに、悪口雑言罵詈讒謗を伏せ字だらけにしてしまうのも一興ではないか。
うーん。
いろいろと悩ましいなあ。
けけけ。
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