Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2017.06.20,Tue
私は乱歩同様、他人の影響を受けやすい人間なのか、奥泉光さんの集英社文庫『東京自叙伝』から多大なヒントを得て、まず『江戸川乱歩偽自叙伝』というタイトルを思いつき、そのあといや待てよ『複雑な彼』がいいかなと考え直し、さらにぶれまくって『貼雑乱歩 ① 世に出るまで(仮題、変更予定)』ということになったのですが、『東京自叙伝』の破天荒な語り手たる「私」は一時、漱石の『吾輩は猫である』の猫すなわち語り手「吾輩」であったという設定になっていて、ああ、漱石の猫か、たしか中学のとき旺文社文庫で読んだきりではないか、と思ったので価格ゼロ円のキンドル本をダウンロードして読みました。
内容なんてきれいに忘れていて、かすかに記憶に残っていたのはトチメンボーと蛇飯だけでしたが、作中随所に、といいますか全篇を通じて、中学生ではこの面白さはわからんかったやろな、と痛感されることの連続、余勢を駆ってひきつづきキンドル本『坊っちゃん』をダウンロードしたところです。漱石の探偵嫌いはつとに指摘されているところですが、すでに『吾輩は猫である』の時点でそれが色濃くにじみ出ているのにはいささか驚かされました。
いやいや、それよりもっと驚いたのは、キンドルで全文検索ができることでした。
ちっとも知らなんだのですが、たとえばキンドル本『吾輩は猫である』で「探偵」を検索すると、作中のすべての「探偵」がその前後三行分ほどを打ち連れてずらーっと出てきてくれるわけです。
むろん、その三行ほどをタップすると、一瞬の躊躇もなく当該ページにすっ飛んでってくれます。
漱石に寄り道ばかりもしてられませんから『貼雑乱歩 ① 世に出るまで(仮題、変更予定)』に戻りますと、書き出しを変更することにいたしました。
祖父の話から始まるのではどうもまだるっこしい。
いきなりこう出ることにいたしました。
彼は明治二十七年(一八九四)に生まれ、二冊の自伝を残した。
なんか、太宰治みたいだな、と思います。
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