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Nabari Ningaikyo Blog
Posted by - 2024.11.22,Fri
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Posted by 中 相作 - 2017.06.06,Tue

 さて、この件です。

 まんだらけ:江戸川乱歩からの挑戦状1 SF・ホラー編 「吸血鬼の島」

 内容は、月刊誌「少年」の通常号や増刊号に掲載された「江戸川乱歩先生出題のクイズ」のたぐい。

 収録作品はこちらで確認できます。

 NDL-OPAC:江戸川乱歩からの挑戦状1 SF・ホラー編 「吸血鬼の島」

 カバーには江戸川乱歩著と大書され、奥付にも著者は江戸川乱歩であると明記されています。

 巻末に収録された野村宏平さんの「解説 雑誌《少年》と江戸川乱歩」には、

 「これらの読物に関しては、乱歩が残した文献にはいっさい言及がなく、文体からも本人の執筆ではないことが推察できる」

 とか、

 「初期と後期では筆致や方向性が異なるので、複数の執筆者が存在したことは間違いないだろう」

 とか、作者が乱歩ではない旨の説明があるのですが、それにまた、以前は代作者が乱歩名義で書いたいわゆるリライトものが、いうまでもなく乱歩の承認のもと、ポプラ社からたくさん刊行されていたわけですから、乱歩が他人の手になった自分名義の出版物に鷹揚だったことはたしかでしょうけど、私のように狭量な人間は、ここまで堂々と乱歩の著作として刊行されるとなあ、と思わないでもありません。

 ついでですから、高木彬光ファンの小林宏至さんがクイズの代作者に迫った文章を発表していらっしゃいますので、天下御免の無断転載。


 「コミック版『刺青殺人事件』のこと、その他」と題された文書の一部です。

 しかしまあ、ずいぶん手間ひまがかけられ、思い入れがこめられて、もとより一般の商業出版社はとても出してくれそうにない一冊ではあり、乱歩に関するたいへん貴重な資料でもありますから、この『吸血鬼の島』、乱歩ファンはすべからく押さえておかれるべきかと愚考いたします。
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