Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2017.06.03,Sat
あとまたわかんないのが、読者層をどんなふうに想定すべきか、という問題。
つまり、乱歩のことをどれくらい知ってる人を対象に書けばいいのか、ということです。たとえばこのブログなんて、擦れっ枯らしの乱歩読者に向けて書いてるようなものなんですけど、本にするとなると、そんなわけにもいかんのではないか。
この点に関しては最近、ちょっとびっくりしたことがあって、というのは、集英社新書の4月の新刊で山崎雅弘さんの『「天皇機関説」事件』が出ました。
▼集英社:「天皇機関説」事件
実証的で時宜に適った好著なんですけど、とてもわかりやすく書かれていることにいささか驚いてしまいました。
むろん論述も明快でわかりやすいんですけど、本文中のさほど難解でない語句にも丁寧に丸括弧で註釈が挿入されています。
任意のページから拾ってみると──
東京帝国大学(今の東京大学)
法人(法的に擬人化した概念)
権限(権力)
「あとがき」によると、わかりやすさは山崎さんが強く意識していたことでもあったようで、新書という出版形態では当然のことでもありましょうけど、しかしここまで徹底してわかりやすさを追求するのか、と本の内容には直接関係のないところでえらく感心してしまった次第です。
むろん『江戸川乱歩偽自叙伝』もわかりやすく書かなければなりませんけど、乱歩のことをどの程度知ってる人を対象にすればいいのやら、どの程度委曲を尽くせばいいのやら、どうもようわかりません。
というか、それ以前に、しょせんいろものなんだもんなあ。
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