Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2017.06.02,Fri
これも吝嗇の愉しみと呼ぶべきか、文庫落ちを待っていた奥泉光さんの集英社文庫『東京自叙伝』をぼちぼち読み進めているところですが、きょう、読んでる最中、この作品の叙述スタイルにヒントを得て、とてもいいことを思いついてしまいました。
評伝のようなもの、などと寝ぼけたこといってないで、乱歩になりかわって乱歩の自叙伝を書けばいいのである。最初の企ては中絶に至ったとはいえ、乱歩は二冊もの自伝を残した人で、いやまあ最初のは一冊の書籍にはまとめられておりませんが、二冊目なんて昭和24年から35年までかかって書きあげられた恐ろしく分厚い一冊ですから、そんな人の評伝となるとどうしても二の足を踏んでしまいます。
しかし、『探偵小説四十年』に書かなかったこと、書けなかったことも少なからずあったはずで、そこらのことを悪霊となった乱歩が自叙伝に洗いざらいぶっちゃけて書き下ろすという趣向はいかがでしょう。
それはもうひどいもので、横溝の野郎はなにかっつーと突っかかってきやがってだいたいがあの「呪いの塔」とかいう駄作はいったいなんなんだばーか、とか、当たるをさいわい悪口雑言罵詈讒謗の限りを尽くすわけです。
しかしこれはまったく根拠のないことでもなくて、乱歩と正史の不和と和解については、たとえば都筑道夫のこんな証言があります。
▼2010年11月8日:〔*18〕推理作家の出来るまで
どうせもう死んでんだし、てゆーかそもそも悪霊になってんだから、何も気にせず憚ることなく臆することなく好きなことほざいてやるぜこのすっとこどっこい、みたいな自叙伝を乱歩になりかわって私が書く。
面白いではないか。
ものすごく面白そうではないか。
電光石火でタイトルも決まった。
──江戸川乱歩偽自叙伝
うーん。
困ったな。
どう考えてもいろものではないか。
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