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Posted by 中 相作 - 2017.04.09,Sun
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平成29・2017年4月3日 産経新聞社、産経デジタル
検閲制度の実態、新研究で光 発禁本の目録 検閲官の素顔に迫る
磨井慎吾
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平成29・2017年4月3日 産経新聞社、産経デジタル
検閲制度の実態、新研究で光 発禁本の目録 検閲官の素顔に迫る
磨井慎吾
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2017.4.3 10:00
検閲制度の実態、新研究で光 発禁本の目録 検閲官の素顔に迫る
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発禁となって断裁処分された本の切れ端を集めて再製本した貴重書『恋愛文学』(青柳有美著)を示す浅岡邦雄・中京大教授
明治憲法下の日本に存在していた出版物への検閲制度。悪名の高さのわりに具体的な細部の解明が遅れていたこの制度について、検閲をした側、された側双方の実態に光を当てる研究成果が相次いでいる。
明治大学図書館(東京都千代田区)は3月、明治期から戦前戦中の検閲で発売禁止や削除などの処分を受けた書物約1600点を含む「城市郎(じょう・いちろう)文庫目録」(6000円+税)を刊行した。同館では、発禁本収集家の城さん(平成28年死去)から23年に寄贈を受けた蔵書約9200点の目録化を進めていた。今後、主に研究者に向けた文庫公開などの活用を検討したいとしている。同館の山泉進館長は「発禁本の存在を知ることで言論、表現や出版の自由の大切さを再認識してほしい。明大としても、目録を出発点としてさらに研究を進めていきたい」と語る。
寄贈された蔵書には、明治後期に華厳の滝で自殺した旧制一高生の藤村操の名を騙(かた)り、無政府主義的内容を書いた奇書『煩悶(はんもん)記』や、江戸川乱歩の小説『蜘蛛男』、大逆事件に連座して死刑になった幸徳秋水の『兆民先生』などが含まれる。
目録では一冊一冊について、検閲側である旧内務省の資料などと照合し、どんな理由で発禁になったかなどを記載している。
検閲制度の実態、新研究で光 発禁本の目録 検閲官の素顔に迫る
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監修者の浅岡邦雄・中京大教授は「この照合作業が最も大変だった。発行当初は何の処分も受けなかった出版物が、時代の変化によりアウトになるケースもあった」と解説する。たとえば昭和2年の刊行当時は問題なしとされた芥川龍之介の箴言(しんげん)集『侏儒の言葉』が、日中戦争中の14年になって軍人侮辱の箇所があるとされ、次版改訂時に該当部分削除の処分を受けていたことも目録によってわかる。
一方、東京都千代田区の区立千代田図書館では、検閲する側に焦点を当てた企画展「検閲官-戦前の出版検閲を担った人々の仕事と横顔」が開かれている。22日まで。入場無料。
同館は戦前に内務省警保局図書課で実際に検閲業務に用いられた原本約2300冊を所蔵。企画展では昭和期の検閲官4人の日記や書類など約50点を展示し、図書課の人員体制や業務分担、異動や昇進など、プライベートも含めた人物像全体を紹介している。検閲時の書き込みが残る原本も展示され、昭和11年の二・二六事件で殺害された元首相の高橋是清の『随想録』には「偉大なる経世家であり又偉大なる人世の教師であった事を今更ながら肯(うなずか)れる」などと検閲官の肉声が伝わる異色のコメントも残されている。
同館の河合郁子さんは「検閲官については漠然と怖い人、悪い人というイメージを持たれているが、実際は家族もあれば昇進も気にする普通の役人が法にのっとって淡々とやっていた。そうした実態をフラットな目線で見てもらえれば」と話している。(磨井慎吾)
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