Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2017.03.28,Tue
「珍らしい話とおっしゃるのですか、それではこんな話はどうでしょう」
みたいな感じで、長谷川泰久さんのリクエストにちょっとだけお応えし、乱歩にゆかりある名張の話を綴ることにいたします。というのも、資料整理がいよいよ泥沼化し、書斎も納屋もあっちこっちひっくり返ってしまったからです。
よしなしごとを書き散らして気分転換することにいたしました。
昨年12月、水沢不二夫さんのこんな本が出ました。
▼2017年3月20日:検閲と発禁 近代日本の言論統制
収録の「佐藤春夫『律義者』、江戸川乱歩『芋虫』の検閲」、初出はこちらです。
▼2015年3月30日:佐藤春夫「律義者」、江戸川乱歩「芋虫」の検閲
初出誌の全容はPDFファイルで公開されています。
下のリンク先で「第83集 (2010年 平成22年 11月15日発行)」の「ダウンロード」をクリックすると、第八十三集の全ページを読むことができます。
▼日本近代文学会 公式ウェブサイト:「日本近代文学」総目次 > 第83集
しかし、なにしろ一冊まるごとダウンロードするわけですから、いささか時間がかかります。
ですから、とにかくせっかちだとおっしゃるかたのために、当該論文のうち二ページだけ、PDFをJPGに変換して無断転載いたします。
初出には図版が添えられておりませんが、『検閲と発禁 近代日本の言論統制』には「米国議会図書館のA6版サイズで表面右下に『内地新聞紙出版物検閲カード』と印刷された一枚のカード」の写真が収録されています。
こんな写真です。
なんと当局のカードが保存されていて、「芋虫」のどこがその忌諱に触れたのかがわかるというのですから、これは貴重な発見でしょう。
「芋虫」が初出から十年後に削除処分を受けた時代的背景など、興味深い指摘がなされていますからぜひ全文をお読みください。
余談ながら、水沢さんによれば「当時の発禁統計でも『共産主義紹介宣伝並革命宣伝』が処分理由の過半を占め、『徴兵制度呪詛』『戦争反対宣伝』によるものは少ない」とのことですから、横溝正史の「鬼火」が初出でやられたのも共産主義ならびに革命がらみの理由だったものと思われます。
名張の話は後篇でお届けいたします。
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