Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2011.07.20,Wed
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日本経済新聞
平成23・2011年7月18日 日本経済新聞社
春秋
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2011/7/18付
1960年代にオランダの駐日大使をつとめたロバート・ファン・ヒューリックは、博学多才の人だった。外交官が語学に長じるのは当然にしても、欧州の諸言語、中国語、日本語、サンスクリット語など、十数カ国語ができたという。
▼東洋の文化に詳しく、いくつもの専門書を著した。中国の伝統楽器、古琴を自ら奏で、日本では昭和の初期に一度途絶えた古琴の演奏が復活するきっかけをもたらした。とりわけ、その名前を世界的にしたのは、公務と学術的な研究の合間に英語で書き続けた、ミステリー小説だろう。「ディー判事」シリーズだ。
▼唐代の中国に実在した大政治家、狄(てき)仁傑を主人公にすえた連作。歴史と文化についての専門的な知見を生かした物語世界は、味わい深い。シリーズ第1作を書き上げたのは、生涯で3度に及んだ日本赴任のうちの2度目の時だった。交流のあった江戸川乱歩らの勧めもあって、英語版の前に邦訳を日本で出版した。
▼その後、英語版でシリーズの出版が相次いだのに、邦訳は順調に進まなかった。邦訳の出版が完了したのは、ようやく今年。幸い、作者が亡くなって40年以上たっても古びた印象はない。設定こそ遠い昔だが、謎解きは近代的だ。読書に向かない季節とはいえ、粋な外交官の粋な手すさびを楽しむのも一興だろう。
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