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Posted by 中 相作 - 2017.02.28,Tue
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西日本新聞
平成29・2017年2月24日 西日本新聞社
黒木華 悪女ぶり際立つ 「お勢登場」江戸川乱歩の"連作短編"
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黒木華 悪女ぶり際立つ 「お勢登場」江戸川乱歩の"連作短編"
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黒木華 悪女ぶり際立つ 「お勢登場」江戸川乱歩の"連作短編"
2017年02月24日 17時00分
「お勢登場」より(撮影・細野晋司)
近頃の小説では、複数の短編が絡み合って全体を構成する「連作短編集」という形態がちょっとしたブームだ。倉持裕作・演出の「お勢登場」(12日、東京・シアタートラム)は、まさに連作短編集のような舞台。江戸川乱歩の八つの短編をつなげて、一つの大きな物語を織りなしている。
3月1日、福岡市民会館
冒頭は幻想的な作品「押絵と旅する男」から始まる。汽車の中で紳士が大事そうに抱える押し絵。そこには男女の姿が描かれている。そして、観客はその額縁の中の世界へといざなわれ、別の物語に移っていく。
ほかにモチーフにした短編は「お勢登場」「木馬は廻(まわ)る」「赤い部屋」「一人二役」といった幻想・怪奇作。さらに「二銭銅貨」「二癈人(はいじん)」「D坂の殺人事件」の本格推理ものも加えている。大正から昭和の雰囲気、乱歩の世界観はそのままに、笑いの要素もちりばめた。
2階建てで、1階部分がさらに3分割された舞台セットを効果的に使いながら、それぞれの短編の筋をたどっていく。倉持が仕掛けた再構成の妙は、肺病の夫がいながら裏であいびきを繰り返すお勢(黒木華)を軸にしたところ。乱歩が明智小五郎のライバルにしようと構想したキャラクターでもあるお勢は、物語と別の物語との間を違和感なく飛び越えていき、短編だけでは味わえない重層的な深みをもたらしていた。
乱歩作品の魅力の一つは、何げない日常のふとした瞬間、そこに潜む狂気を感じさせてくれるところにある。一見しとやかにも見えるお勢の悪女ぶりにも“らしさ”が漂う。そのお勢を演じた黒木も良かった。片桐はいり、千葉雅子といった個性的であくの強い女優陣に囲まれ、普通で一見埋もれてしまいそうな立場が、逆に存在感を際立たせていた。
◇「お勢登場」福岡公演 3月1日午後7時、福岡市中央区の市民会館。S席7800円、A席6500円。スリーオクロック=092(732)1688。
=2017/02/23付 西日本新聞夕刊(娯楽面)=
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