Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2017.02.23,Thu
世の中にはいろいろ諦めねばならぬことがあるものですが、キンドル本で脚註をつけるのはもう諦めました。
手に負えません。手順としては、電子書籍用ファイルを書き出せるテキストエディタを使用してファイルを作成し、それをアマゾンが無償配布しているキンドルプレビューアというアプリで読み込む、ということになります。
私はHagoromoというテキストエディタでePubという電子書籍用ファイルを書き出していて、このソフトには脚註を設定する機能もあるのですが、脚註をつけたePubファイルを書き出してもそれがキンドルプレビューアに反映されるわけではない、ということのようです。
だから諦めました。
というか、今後の課題といたします。
ですから「二銭銅貨」のキンドル本は脚註なしでかますことになります。
諦めるといえば、私はもう二十年ほども前から、いつか乱歩全集を編纂してみたいなと折にふれてうすらぼんやりと思っていたものでしたが、それもどうやら諦めることになりそうです。
とはいえ、悔しいとか、無念だとか、死にたくなったとか、そういうことはまったくなくて、なんというか、ああ、これで楽になった、みたいな感じ。
しかし、編纂してみたい、という気はむろんいまでもありますから、「二銭銅貨」一篇だけを素材に全集編纂気分を味わうことにいたしました。
いたしました、というか、いつのまにかそういうことになってしまいました。
テキストは「新青年」の初出を使用することに決めていたのですが、できるだけ初出のままを再現するべく、Hagoromoで仕上げた原稿のスクリーンショットはこんな感じになっております。
青空文庫の「二銭銅貨」に手を加えたテキストです。
青空文庫版「二銭銅貨」の氏素性はこんな感じ。
底本:江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者
出版社:光文社文庫、光文社
初版発行日:2004(平成16)年7月20日
入力に使用:2004(平成16)年7月20日初版1刷
校正に使用:2004(平成16)年7月20日初版1刷
底本の親本:江戸川乱歩全集 第一巻
出版社:平凡社
初版発行日:1931(昭和6)年6月
冒頭はこんなんです。
「あの泥坊が羨 しい」二人の間にこんな言葉が交 される程、其頃 は窮迫 していた。
場末 の貧弱な下駄屋の二階の、ただ一間しかない六畳に、一閑張りの破れ机を二つ並べて、松村武とこの私とが、変な空想ばかり逞 しゅうして、ゴロゴロしていた頃のお話である。
もう何もかも行詰って了 って、動きの取れなかった二人は、丁度その頃世間を騒がせた大泥坊の、巧みなやり口を羨む様な、さもしい心持 になっていた。
その泥坊事件というのが、このお話の本筋に大関係を持っているので、茲 にザッとそれをお話して置くことにする。
芝区のさる大きな電気工場の職工給料日当日の出来事であった。十数名の賃銀計算係が、一万に近い職工のタイム・カードから、夫々 一ヶ月の賃銀を計算して、山と積まれた給料袋の中へ、当日銀行から引出された、一番の支那鞄に一杯もあろうという、二十円、十円、五円などの紙幣 を汗だくになって詰込んでいる最中に、事務所の玄関へ一人の紳士が訪れた。
これを旧仮名遣いにし、総ルビにし、しかも漢字はすべて旧字体にし、といいたいところですが、あいにくすべて旧字体というのは実現できませんので、なんとなくすべて旧字体みたいな雰囲気、ということでご勘弁いただきたいと思います。
ちなみに新字体を旧字体に変換する作業は、このサイトを利用すれば一発です。
▼ちょっと便利帳:新漢字(新字体) ⇔ 旧漢字(旧字体) 相互変換
自分でいうのもあれですけど、かなりきちがいじみたキンドル本になるのではないかと期待されます。
歩みは遅々としてますけど。
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