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Nabari Ningaikyo Blog
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Posted by 中 相作 - 2011.07.11,Mon

 名張市立図書館が乱歩関連資料を収集する目的はなにか、みたいなことを考えるにあたっては、名張市立図書館が乱歩にかんしてなにを期待されているか、みたいなことを考慮してみることが有効かもしれない。

 

 つまり、自分たちの都合を世間に押しつけてばかりいないで、自分たちが世間からなにを期待されているのか、それを考慮してみたら、めざすべき目的もまたはっきりみえてくるかもしれない、ということだ。

 

 しかし、無理か。

 

 お役所のみなさんには、とても無理か。

 

 お役所のみなさんはしょせん、自分の都合しか眼中にないみなさんだからな。

 

 とはいうものの、もしかしたら、お役所のみなさんにはそのあたりの事情がよく自覚されておらんのかもしれん、という気もする。

 

 よろしい。

 

 きょうはそのあたり、ちょっと考えてみようか。

 

 例としては、あの件をとりあげよう。

 

 母さん、名張市民の八億六千万円、どうしたでせうね?

 

 あの件である。

 

 2011年6月29日:市民不在、乱歩不在

 

 このエントリに、こう記した。

 

 根っこのところにあるのは為政者の勝手なおもわくであり、唯々諾々とそれに追従するしか能がない市議会も市議会なら、「時の権力者の意思に従って事務手続きを進めることにジレンマを感じる時もある」などとお決まりの主体性放棄でひとごとみたいな口をきいてる市職員も市職員だというしかないのじゃが、このみなさんのおつむのなかには、どうやら市民なんてのはかけらほども存在しておらんようじゃな

 

 確認しておくと、この件にはなんともけったいなところがある。

 

 たとえば、なんで「適正額を超える金額で契約」せにゃならんかったのか。

 

 市民にゃさっぱりわかんない。

 

 名張市はなんで、こんなけったいなことを決めたのじゃろうな。

 

 相場よりかなり高い金額で土地を買う、なんてことをしなければならんかったのか。

 

 それは、はたして、市民のための決定であったのじゃろうか。

 

 市民の幸福のための決定であったのじゃろうか。

 

 あるいは、公共のための決定であったのじゃろうか。

 

 公共の利益のための決定であったのじゃろうか。

 

 ちがうじゃろう。

 

 全然ちがうじゃろうが。

 

 為政者の勝手なおもわくのための決定、というしかないもんじゃろうが。

 

 為政者の個人的な事情にもとづく決定、というしかないもんじゃろうが。

 

 な。

 

 そうじゃろうが。

 

 名張市役所のみなさんも、その点、よくよく理解してくれるはずじゃ。

 

 6月29日付エントリのリンク先にある伊勢新聞のまとめ記事には、名張市のある幹部職員の「時の権力者の意思に従って事務手続きを進めることにジレンマを感じる時もある」とのコメントも掲載されておるわけじゃが、なんで「ジレンマを感じ」にゃならんかったのかというと、この件における「時の権力者の意思」ってやつは市民の幸福にも公共の利益にもいっさい関係がない、っつーことがこの幹部職員にはよくおわかりだったからじゃろう。

 

 「時の権力者」の勝手なおもわくのための決定じゃった、っちゅーことがよくおわかりだったということじゃろう。

 

 な。

 

 名張市役所のみなさん、そういうことじゃろうが。

 

 でもって、自分のことしか眼中にない、自分の都合を地域社会に押しつけて平然としている、みたいな点では、「時の権力者」もお役所のみなさんも、しょせんはおなじ穴のむじなだと思うぞ。

 

 だから、6月29日付エントリのタイトルにもあるとおり、市民不在、乱歩不在、っちゅーことになるんだけど、館内に乱歩コーナーまで設けた図書館が乱歩不在の状態だというのは、これはほんとにお役所のみなさんの勝手な都合のしからしむるところなわけ。

 

 なにも考えないことにしていたり、できるだけ働かないようにしていたり、そんなのは勝手な都合というしかないわけで、そんな勝手な都合が根拠になってこんな状態がつづいている、なんてのはとてもまともなことではない。

 

 ──開館以来四十年にわたって乱歩関連資料を収集し、館内には乱歩コーナーを開設し、乱歩にかんする詳細な目録も三冊刊行しておりますが、名張市立図書館は乱歩のことをよく知りません。

 

 お役所のみなさんの勝手な都合はいっさい関係なく、ここまで乱歩に力を入れている図書館が存在しているのであれば、そこには当然、それなりの期待が寄せられるわけなのよね。

 

 たとえば、きのうも記したけど、乱歩が時代にどう受容されるかを記録してゆく、なんてのはどうしたって期待されるところである。

 

 またたとえば、乱歩の文業の全容を明らかにし、正しく後世に継承する、みたいなことも期待されているはずだ。

 

 だからこそ、どっかにそういう場が必要だと考えているひとが少なからず存在しているからこそ、こんな乱歩作品を発見しました、みたいな感じでとりあえず、不肖サンデーのもとにあれこれ送っていただいたりもするのである。

 

 しかし、いつもゆうとることじゃが、いつ死んでもふしぎではない個人がそんなものをもってたって、死んだらそのとたん、すべてがおしまいになってしまう。

 

 いうまでもないことだけど、そういうのは公的な機関のお仕事なわけね。

 

 そんなことくらい、名張市役所のみなさんにもわかっていただけるはずだと思うけど、どうなんだろうね。

 

 名張市立図書館が、乱歩関連資料を集めております、というのであれば、それこそ自明のこととして、おのずから明らかなこととして、織りこみ済みのこととして、乱歩の文業をすべて明らかにする、みたいな作業も持続的に手がけているのであろうな、と思う人間はかなり多いと思うぞ。

 

 少なくとも、乱歩関連資料を集めております、と聞いて、さては乱歩賞受賞作品のコンプリートをめざしておるな、と思ってしまう人間なんかより、はるかに多いはずである。

 

 ちなみに、いちばん最近、こんなのを発見しました、と送っていただいた乱歩関連資料は、こんなんである。

 

■20110711a.jpg

 

 「日本少年」という雑誌の明治39年9月号の「字探し賞外当選者」のページなんだけど、字探しならぬ名前探しとしゃれこんで、乱歩の名前はどこかしら?

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