きょうの当地は多少、しのぎやすい感じがする。
きょうの小春ちゃん。
三重県伊賀地方の特産のひとつ、モロッコいんげんの畑につないでみた。
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さほど暑そうでもない。
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なんとかなじんだ、ようである。
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しかし、犬の写真ばっか載せてると、われながら、ばか? とか思ってしまうよね。
さて、きのうのつづきだ。
名張市立図書館による乱歩関連資料の収集は、いったいどんな目的を有しているのか。
この点にかんして、名張市乱歩関連事業アドバイザーとしては、もう少しつめておくべきだったかな、とぞ思う。
そのあたり、ちょっと振り返っておこうか。
名張市立図書館にたいして、どんなアドバイスをしようかな、とうすらぼんやり予定していたのは、こんなことにおじゃった。
(いち)乱歩関連資料を収集する、っつーのなら、乱歩関連資料、っつーのはいったいどんなものなのか、どんな資料を集めればいいのか、そのあたり、ちゃんと考えて、ちゃんと決めようね。
(に)収集した資料をどう活用するのか、それを念頭において考えてみると、乱歩関連資料としてなにを集めればいいのかが、よくわかってくるかもしれないね。
(さん)どうして乱歩関連資料を収集しているのか、それをよーく考えてみようね。
(よん)収集資料にもとづいて乱歩作品個々のデータをまとめていく、みたいなことを考えてみてはどうだろう。
(ご)インターネットを活用して、データベースを発信するのはどうだろう。
で、名張市立図書館の現状はこんなんでおじゃる。
中 相作 さま
このたびは「市長への手紙」をお寄せいただき、ありがとうございました。
名張市立図書館が所蔵する江戸川乱歩関連資料を活用するための具体的な方針につきましては、現在のところございませんが、今後、図書館活動の一環として、江戸川乱歩に関連する図書や雑誌などの資料を、収集・保存に努めてまいりたいと考えています。
今後とも、貴重なご意見・ご提案をお寄せいただきますようお願いします。
平成20年10月 9日
名張市長 亀井利克
ねーッ。
だめだよねーッ。
こんなこといってちゃまずいよねーッ。
だから、とりあえず、(よん)をアドバイスしてみた。
(よん)収集資料にもとづいて乱歩作品個々のデータをまとめていく、みたいなことを考えてみてはどうだろう。
しかし、無理だ、ということが判明した。
無理無理。
とても無理におじゃる。
なぜか。
乱歩作品個々のデータをまとめる、とかいうんだったら、とりあえず乱歩作品を読んでみることが必要になるわけじゃが、そのあたりでもう、無理無理、ということになってしまう。
だから、収集資料をどう活用するか、みたいなことをアドバイスする(よん)はいったん却下して、どんな資料を収集するか、みたいなことをアドバイスする(いち)を提示した。
(いち)乱歩関連資料を収集する、っつーのなら、乱歩関連資料、っつーのはいったいどんなものなのか、どんな資料を集めればいいのか、そのあたり、ちゃんと考えて、ちゃんと決めようね。
乱歩関連資料を収集するというのであれば、いったいなにを集めるのか、乱歩関連資料ってのはどんな資料のことなのか、そのあたりを定義してみようね、ちゃんと考えて、ちゃんと決めようね、ね、ね、ね、ということである。
もとよりこんなことは、名張市立図書館がオープンする時点において、細かいところまできっちりと、とはいわんけど、だいたいの方向性くらいは明確になっておらにゃならんかったことである。
いまごろになってこんなことをアドバイスせにゃならん、などというのは、あほらしいことであり、なさけないことであり、それ以上に異常なことである。
しかしまあ、いくら遅れたとはいっても、遅きに失した、というわけではない。
いくら遅くなっても、いつかの時点で、ぜひともやっとかねばならんのよね、といったたぐいのことである。
やっとかないことには、乱歩関連資料の収集なんて、とてもできない。
やっとかないと、どうなるのか。
ただの思いつきだけをよりどころに、乱歩の本、くださいな、みたいなことでお茶を濁しつづけたそのあげく、わざわざこしらえた乱歩コーナーに乱歩賞受賞作品を展示する、みたいなことをしてしまうわけなんよ。
だから、なにを集めます、ということを明確にしておかなければ、おはなしにならない。
だったら、どうして集めているのか、それをはっきりさせといたほうがいいかもしれない、そっちが先決かもしれない、と考えて、アドバイスの(さん)を用意した。
(さん)どうして乱歩関連資料を収集しているのか、それをよーく考えてみようね。
つまり、収集の目的、というやつである。
しかし、こんなものは、一般的には、ことあらためて考えるようなことではないはずである。
げんに不肖サンデー、収集の目的なんて、つきつめて考えたことがなかった。
それはなぜなのか、というと、そんなのは自明のこと、おのずから明らかなこと、そういう種類のものだからだ。
乱歩関連資料を収集している目的はなんですか、と尋ねられれば、つきつめて考えたことがなくたって、えーっと、それはですね、とすらすら答えられることだからだ。
つまり、資料収集という行為には、目的があらかじめ織りこまれているのが一般的だ、ということだ。
ただし、それはあくまでも、ふつうはそうだ、という話である。
名張市立図書館は、けっしてそうではない。
単なる思いつきで乱歩関連資料の収集をはじめ、しかも、なおかつ、資料収集というのがどんなことなんだか、さっぱりわかっていない。
うそだと思ったら、名張市立図書館に電話して、乱歩関連資料を収集している目的はなーに? と尋ねてごらんになるがよろしい。
まともな答えなんて、まず返ってこない。
しかし、こんなものは、難問でもなんでもない。
たとえば、このエントリ。
▼2011年6月25日:時代時代にどう受容されたかを記録する
このエントリに、「乱歩関連資料の収集には、乱歩が時代時代にどう受容されていったか、それを記録するという目的もある」と記した。
乱歩が時代にどう受容されたか、それを記録してゆく。
乱歩関連資料を収集する目的のひとつとして、いわば王道を行くものである。
どっか、おかしいか?
ごくごくあたりまえのことである。
自明のこと、おのずから明らかなこと、織りこみ済みのことである。
しかし、名張市立図書館にとっては、自明ではなく、おのずから明らかではなく、織りこみ済みでもない。
えッ? 乱歩関連資料を収集するためには、えッ? えッ? 収集の目的を考えなくちゃならないわけ? えッ? えッ? えッ? みたいなことなのである。
名張市役所のみなさんには、とても理解していただけないことかもしれないけれど、市民の税金で市民生活にはなんの関係もない乱歩関連資料を収集するわけなんだから、目的はなにか、みたいなことはいの一番に明確にされてなければならないことなわけね。
名張市役所のみなさんはまあいいとしても、資料収集を手がける名張市立図書館はどうかというと、そんなのとても無理じゃろうと、乱歩関連資料を収集する目的を明確にする、なんて芸当はとても無理じゃろうと、そんなぐあいに判断されたから、アドバイスすらせんかったわけやが、どうじゃろうな、市長判断を仰ぐ前に、どういった目的のもとに乱歩関連資料を収集しておるのか、名張市立図書館の意向や見解といったものをいちど確認しておいたほうがいいかもしれんな。
ちょっと考えてみるか。
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