ねちねちねちねち、くどくどくどくど、しつこくもしつこく確認しておくと、名張市役所のみなさんにも、ようやくのことで、名張市立図書館の異常さをご理解いただけたものと思う。
な。
乱歩の本を集めてますけど、乱歩の本を読んだことはありません、なんていうのは、やっぱまともではないわけよ。
どうしてまともじゃないの? と疑問にお思いの向きもあるかもしれんけど、ちゃんと読まなきゃ、ちゃんと集められない、ということもあるし、それにみなさんだって、どっかの図書館が四十年もひとりの作家の本を集めてる、と聞かされたら、その図書館はその作家のことやその作家の本のことを、とてもよく知ってるはずだ、と思ってしまうことじゃろう。
しかし、名張市立図書館にかぎっては、そんなことは全然ないのじゃ。
ほんと、こんななんだぞ。
──開館以来四十年にわたって乱歩関連資料を収集し、館内には乱歩コーナーを開設し、乱歩にかんする詳細な目録も三冊刊行しておりますが、名張市立図書館は乱歩のことをよく知りません。
な。
こんなのはとてもまともなことではない、ということは、いまや名張市役所のみなさんにも、そこそこご理解いただけたものと思う。
さて、不肖サンデー、名張市立図書館の乱歩資料担当嘱託として、名張市立図書館が収集した乱歩関連資料の活用に目鼻をつけることになった。
名張市立図書館がちゃんとしてれば、つまり、図書館としてふつうのことをふつうにやってたら、不肖サンデーが出張る必要などどこにもなかったのであるが、名張市立図書館はとにかくなにもしようとせんのじゃからな。
それで、不肖サンデーがものぐるいの日々を過ごして、ようやく名張市立図書館は、乱歩にかんしてまともになった。
もちろん、名張市立図書館には、そんなことはわからない。
なにしろ、資料の収集とか活用とか、そんなもののことはいっさい理解できない図書館なのである。
早い話、名張市立図書館が発行した目録のうち、『乱歩文献データブック』と『江戸川乱歩執筆年譜』を両手にもって、
「これ二冊ありますけどさなあ、こっちとこっち、表紙は違いますわてなあ。せやけど、中身はほれ、どっちも字ィ書いてあって、二色刷で、ふたつともおんなじですねさ。これ、こっちとこっち、どこが違いますの」
などと尋ねてくるようなひとが、余裕で副館長として勤めていた図書館なのである。
しかし、ここで名張市立図書館の名誉のために記しておくと、これはこの副館長個人の問題ではなく、名張市立図書館だけの問題でもなく、名張市という自治体全体の問題なのである。
名張市という自治体全体のアベレージが、『乱歩文献データブック』と『江戸川乱歩執筆年譜』のみわけがつかない、といった不覚にも落涙してしまうほどおそまつなものである、ということなのである。
しかし、名張市においてはそうであっても、世間一般はそうではない。
名張市立図書館の目録三冊は、なかなか結構なものである、と高い評価をいただいておる。
さて、名張市立図書館が乱歩のことをどうしたらいいのか、名張市役所のみなさんといっしょに、名張市役所のみなさんにも理解していただけるレベルで、ちんたらちんたらくどくどくどくど、考えを積み重ねているサンデー先生の平熱教室であるけれど、ここでひとつ、名張市役所のみなさんの意見を求めてみたい。
というのも、目録三冊をつくってるあいだに、インターネットが急速に普及した。
だから、不肖サンデー、二冊目ができたときと、三冊目ができたとき、目録にもとづいたデータベースを名張市立図書館の公式サイトに掲載して、ひろく一般に提供するべきだろう、と考え、そのための予算を要求したのだが、二回ともリジェクトとあいなった。
理由は、財政難、とのことであった。
ほんとかどうか、不肖サンデーにはわからない。
しかし、名張市役所のみなさんなら、市の財政事情には市民よりはるかにお詳しいはずであるし、お詳しくないかたの場合でも、乱歩にかんするデータベースをインターネットで提供する、という図書館サービスの方向性そのものをご検討いただくことは可能だろうから、そのあたりのことにかんして、忌憚のないご意見をお気軽にお寄せいただきたいと思う。
それにしてもなあ、いくら財政難だといったって、名張市立図書館が館内に独立したコーナーを設けるほど力を入れている乱歩にかんするデータベース、それもそこそこ高い評価を頂戴している目録三冊にもとづいたデータベースを予算化できないなんてのは、いったいどれほどの財政難なんだすっとこどっこい、という気もするよね。
つか、先日もちょっと、正確にいえば6月12日付エントリにもちょっと記したことだけど、母さん、名張市民の八億六千万円、どうしたでせうね? とかいうあの話は、いったいなんなんだよ実際。
ええ、名張市が九億八千万円で購入して、一億二千万円で売りに出すそうですから、差し引き八億六千万円がむざむざ消えてしまうことになるあの滝之原の土地のことですよ。
伊勢新聞にまとめ記事が出ていた。
▼伊勢新聞:<まる見えリポート>名張市の斎場問題(2011年6月12日)
まとめ記事を読んでも、どうもようわからんな。
なんでなの? というそもそもの理由がわからんからである。
なんで「適正額を超える金額で契約」せにゃならんかったのか、はたまた、なんで「建設予定地を変更」せにゃならんかったのか。
そのあたりの理由が、まったく明らかでないからである。
ただまあ、ひとつだけはっきりしとるのは、この一件にかんしては、みごとなまでに市民不在だ、ということであろうな。
根っこのところにあるのは為政者の勝手なおもわくであり、唯々諾々とそれに追従するしか能がない市議会も市議会なら、「時の権力者の意思に従って事務手続きを進めることにジレンマを感じる時もある」などとお決まりの主体性放棄でひとごとみたいな口をきいてる市職員も市職員だというしかないのじゃが、このみなさんのおつむのなかには、どうやら市民なんてのはかけらほども存在しておらんようじゃな。
いやはや、名張市政が市民不在なら、名張市立図書館はさしずめ乱歩不在といったところか。
きゃはは。
ほんと、ちっとはしっかりしような。
しっかりしていただくために、いっちょ漫才でも書いちゃろうか?
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