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Posted by 中 相作 - 2016.09.04,Sun
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平成28・2016年8月30日 読売新聞社
『QJKJQ』 佐藤究(きわむ)さん
川村律文
Home > ライフ > 本よみうり堂 > 著者来店 > 記事
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『QJKJQ』 佐藤究(きわむ)さん
2016年08月30日 05時20分
現実感覚揺さぶる怪作
ミステリー作家の登竜門である江戸川乱歩賞を今年受けるのは、推理小説のジャンルにおさまらない怪作だった。有栖川有栖選考委員は、探偵小説三大奇書とされる夢野久作の長編を引き合いに「平成の『ドグラ・マグラ』」と評したほどだ。副賞1000万円の賞に決まった5月の記者会見では、同じ福岡出身で愛読してきた作家に触れ、「賞金5万円の夢野久作賞があれば、間違いなくそちらに応募していた」と笑った。
主人公は、4人全員が猟奇殺人犯という一家の娘・亜李亜。ある日、亜李亜の兄はパン切り包丁で惨殺され、すぐに死体は跡形もなく消える。母もほどなく家から姿を消した。困惑する亜李亜に、父はポーカーの勝負を持ちかけ、謎の手役について語る――。シュールレアリスムにも通じる奇妙なイメージが響き合い、読み手の現実感覚を揺り動かしていく。
なぜ人は人を殺すのか――。このテーマを考え抜いた物語には、凄惨 な描写も少なくない。「ルーペで近づいて見るように、解像度を上げて書いた」。生々しい痛みや恐怖を書ききったことで、道徳や法を超えた殺人の本質に迫った。
2004年に佐藤憲胤 名義で群像新人文学賞優秀作となり、純文学の作家として2冊の小説を刊行した。その後は職を転々としながら書き続けたが、作品は没になることの繰り返し。それでも、書くことはやめなかった。「自分の世界観は面白いと思っていた。はまれば力は発揮できる」。編集者に勧められて乱歩賞に応募した。ジャンルにとらわれずに自分のスタイルで書くことを貫き、2回目の挑戦で賞を勝ち取った。
「この世の中を小説家の視点で見渡してみると、謎はたくさんある。世間で信じられているものを動かしたい」(講談社、1500円)川村律文
2016年08月30日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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