Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2011.06.15,Wed
書籍
声に出して読みたい日本語 2
齋藤孝
平成23・2011年2月10日第一刷 草思社 草思社文庫
A6判 カバー 253ページ 本体570円
初刊・旧版:2002年8月6日 草思社
関連箇所
『怪人二十面相』 江戸川乱歩
八、物語の世界に浸る > p204ー207
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『怪人二十面相』
江戸川乱歩
明智は、安楽イスのクッションにふかぶかと身をしずめ、辻野氏におとらぬ、にこやかな顔で答えました。
「ぼくこそ、きみに会いたくてしかたがなかったのです。汽車の中で、ちょうどこんなことを考えていたところでしたよ。ひょっとしたら、きみが駅へ迎えに来ていてくれるんじゃないかとね。」
「さすがですねえ。すると、きみは、ぼくのほんとうの名前もごぞんじでしょうねえ。」
辻野氏のなにげないことばには、おそろしい力がこもっていました。興奮のために、イスのひじ掛けにのせた左手の先が、かすかにふるえていました。
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乱歩は、怪しさと妖しさを混ぜ込んだ「あやし」の作家だ。乱歩には、『屋根裏の散歩者』『陰獣』『人間椅子』『芋虫』『押絵と旅する男』など、タイトルからしてあやしげな(内容はもっとあやしい)ものが多い。屋根裏を歩きまわってのぞき見をする男、椅子に入り込む男など、どうにもならない人間が引き起こす事件は、読者ののぞき見趣味をくすぐって飽きさせない。声に出して読むのははばかられる作品も多いが、ハマると楽しい。
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