Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2016.06.24,Fri
話がだんだん大風呂敷と化している観は否めませんが、実現性は二の次にして、「二銭銅貨」九十九円電書にポーの「黄金虫」を乱歩訳で収録する、という話をつづけます。
改造社の世界大衆文学全集『ポー、ホフマン集』以外でも、もとより代役とはいえ、乱歩が「黄金虫」を翻訳していたことを思い出しました。講談社の少年少女世界文学全集『アメリカ編 第1巻』です。
発行は昭和36年7月20日。
つまり『探偵小説四十年』刊行の十五日後に出た本で、収録はストー夫人、ホーソーン、ポーの諸作と民話集。
思い出した以上、こちらの訳文を採用することにいたします。
理由は単純。
私には、近所でも評判の可愛い男の子であった遠い昔、地域の名門、三重県名張市立名張小学校の図書室にあったこの本を借り出して読んだものであった、という懐かしい記憶があるからです。
あれがはじめて手に取ったポーの本で、そのあとはたぶん、地域の名門、三重県名張市立名張中学校にいやいやながら通っていたその当時、旺文社文庫のポーの作品集をいまはなき岡村繁次郎が経営していたいまはなき岡村書店で購入して読んだのではなかったかしら。
ともあれ、少年ものを本領とした乱歩への敬意もこめて、少年少女向けにリメイクされた「黄金虫」をいただくことにいたします。
それから、せっかく乱歩が訂正した点字の図版をつくったことでもありますから、桃源社全集版の「二銭銅貨」も収録してしまいます。
初出テキストよりは読みやすくなっているはずですし、その筋の読者には初出との異同をチェックする酔狂もお楽しみいただけます。
テキストは、青空文庫の平凡社全集版をちょこっといじるだけですぐ完成です。
そんなこんなであれこれ考え、小説もいろいろ取り揃えてみたいと思います。
いまのところ思いあたるのは、収録順に次のようなところです。
黄金虫
エドガー・アラン・ポー(1843年)、江戸川乱歩訳 昭和36年7月20日
噫無情(抜粋)
ヴィクトル・ユゴー(1862年)、黒岩涙香訳 明治39年4月25日
踊る人形(抜粋)
アーサー・コナン・ドイル(1903年)、三上於菟吉訳 昭和4年10月5日/大久保ゆう改訳 平成20年1月30日
二銭銅貨荒筋
江戸川藍峯 大正9年5月10日
二銭銅貨
江戸川藍峯 大正9年
私
谷崎潤一郎 大正10年3月1日
二銭銅貨
黒島伝治 大正15年1月1日
二銭銅貨
江戸川乱歩 昭和33年9月25日
二銭銅貨
江戸川乱歩 昭和36年10月20日
戌神はなにを見たか(抜粋)
鮎川哲也 昭和51年2月20日
なんか、「二銭銅貨」にちょっとでも関係のあるあるいはありそうな小説を適当にかき集めただけなんですけど、九十九円でどうでしょうか。
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