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Posted by 中 相作 - 2016.03.15,Tue
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 平成28・2016年3月11日 アップリンク

スペイン発の魔法少女モノ映画がヤバイ!監督「乱歩とセーラームーンに影響を受けた」
 webDICE編集部
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2016-03-11 14:15

スペイン発の魔法少女モノ映画がヤバイ!監督「乱歩とセーラームーンに影響を受けた」

独創的なストーリーと予想を裏切る結末!映画『マジカル・ガール』



映画『マジカル・ガール』より、魔法少女に憧れる少女アリシア役のルシア・ポジャン Una producción de Aquí y Allí Films, España. Todos los derechos reservados©

スペインの新鋭、カルロス・ベルムト監督によるアニメなど日本文化へのリスペクトを存分に込めた映画『マジカル・ガール』が3月12日(土)より公開。魔法少女に憧れる余命わずかの少女と暮らす失業中の父親ルイスが、娘がほしがるコスチュームを手に入れようとすることをきっかけに、心に闇を抱えた人妻バルバラ、バルバラのかつての担任だった元教師ダミアンを巻き込んで悲劇が起きていく過程を描いている。

「世界」「悪魔」「肉欲」という3つの章で構成された本作は、難病の娘の願いを叶えようと腐心する父親という冒頭のエピソードからファンタジックで心温まると物語と思いきや、次第に人間の内に秘められた聖性と悪魔性の相克というテーマが露わになっていく。ベルムト監督はその一筋縄でいかないストーリー展開に、『魔法少女まどか☆マギカ』『美少女戦士セーラームーン』といったアニメからの影響や、江戸川乱歩原作・丸山明宏(現:美輪明宏)主演・深作欣二監督の映画『黒蜥蜴』といった日本文化へのオマージュ、そしてスペインの経済危機が及ぼす暗い影といった要素を盛り込む。その手腕は、スペインで『パンズ・ラビリンス』を製作したギレルモ・デル・トロ監督や、ペドロ・アルモドバル監督の系譜に連なるものだと言えるだろう。

古典的な構成を現在のスペインというコンテクストの下で再構成

──『マジカル・ガール』はサスペンスからブラック・コメディに至る諸ジャンルを巧みに組み合わせ、同時に今日のスペインに対し、社会派的眼差しを送っています。
私はスペイン人であり、私が『マジカル・ガール』を作った時、私の国が危機の頂点にあったことは確かです(2012年スペインは経済危機に陥り、失業率は25パーセント、特に若者の失業率は50パーセントを超えた)。それを主題にした映画ではないにしても、出発点ではありました。



映画『マジカル・ガール』カルロス・ベルムト監督

病気の娘にプレゼントを買ってやるだけの金がない父親はどうするのか。でも、私の当初の意図は、“脅迫を中心に据えた犯罪もの”でした。なので、『マジカル・ガール』はフィルム・ノワールによくある設定によって展開していきます。構成は古典的なものですが、しかしそれは現在のスペインというコンテクストの下で再構成されているのです。

──あなたはスペインのインディ・コミックの出身です。コミックは暴力やセクシャリティに無関心ではありません。しかし、あなたは本作の中でほとんどそれらを描きませんでした。なぜでしょう?
映画の中で暴力を見せることはデリケートな問題です。というのも、暴力は、妥協とか責任といった考えに帰着するからです。暴力をあからさまに示す場合、あまりに派手にし過ぎると、暴力を中性化してしまう危険がありますし、暗示されるだけだと、受け取る側であまりにも洗練されたものになってしまいかねない。私はパゾリーニの『ソドムの市』(1975年)が好きなのですが、それは何といっても、彼がこの映画で暴力を用いてやろうとしたことゆえです。私は自分の映画の中で暴力をどう扱ったらいいのか、本当のところ、分かりません。暴力が何かを解放するもののように描かれることが普通になっている現代においてはなおさらです。



映画『マジカル・ガール』より、アリシア役のルシア・ポジャン(右)、ルイス役のルイス・ボルメホ(左) Una producción de Aquí y Allí Films, España. Todos los derechos reservados©

私は50年代か60年代に生きていた方が、居心地良かったかもしれない。その時代、映画の中の暴力は違った意味を持っていました。その時代、特にスペインでは暴力が日常生活の中にあり、人々は毎日それと向き合っていました(スペインは70年代半ばまでフランコの独裁体制が続いた)。現在でも暴力は常にあるのですが、薄められて、遊び、ビデオ・ゲーム、映画、ネットの中にまで存在します。暴力と私たちの関係はすっかり変わってしまいました。



映画『マジカル・ガール』より、ルイス役のルイス・ボルメホ Una producción de Aquí y Allí Films, España. Todos los derechos reservados©

暴力は別の社会的、政治的役割を担っています。人々は暴力的映画を見ることに、もはや不安を抱かなくなっているように思います。映画館ではいわばいつもの私など振り捨てて怖がるのを楽しむのです。スクリーンによって守られているのですから。映画における暴力は、もはや現実とは何の関係もなくなっています。それは良いことなのか、悪いことなのか。この問いは私には答えにくいものです。『マジカル・ガール』では暴力を示唆するに止めるという選択をしましたが、次の作品でははるかに露骨に暴力を描くかもしれません。



映画『マジカル・ガール』より、アリシア役のルシア・ポジャン Una producción de Aquí y Allí Films, España. Todos los derechos reservados©

──日本の架空のアニメ「魔法少女ユキコ」のコスチュームをきっかけに物語は展開します。このアイデアをどのように着想しましたか?
私は恐喝というテーマの中心が、単なる金目当てではなく、もっと個人的な問題にしたかった。そこで少女が「魔法少女」のコスチュームを欲しがっているという設定にしました。私は『魔法少女まどか☆マギカ』『美少女戦士セーラームーン』といった日本のアニメから影響を受けています。このタイプのアニメはイノセンスを表していて、映画自体はかなりダークだから、そのコントラストが面白いと思ったのです。



映画『マジカル・ガール』より、元教師ダミアン役のホセ・サクリスタン Una producción de Aquí y Allí Films, España. Todos los derechos reservados©

大切なのは、物語に身を任せること

──登場人物たちの背景について、あまり説明がありません。その分、想像力を掻き立てられます。
映画とは、人物とその過去について語っているのではなく、映画内の時間と共に人物の間に存在する関係を語っているもので、しばしば本人の理解を超えたところまで行ってしまう。だからこそ情報の省略が重要なんです。この映画はいかにして4人がつながったかという話であり、どうやって救われるかという話ではない。大事なのは物語に身を任せ、スクリーンの中で起こっていることだと理解することです。



映画『マジカル・ガール』より、人妻バルバラ役のバルバラ・レニー(左) Una producción de Aquí y Allí Films, España. Todos los derechos reservados©

──長山洋子さんのデビュー曲「春はSA-RA SA-RA」や美輪明宏さん「黒蜥蜴の唄」など日本の楽曲も使われています。
江戸川乱歩や安部公房の小説にある、一種独特の謎めいていて奇妙な雰囲気に影響を受けています。今作で黒いトカゲのモチーフを使ったのは、江戸川乱歩の『黒蜥蜴』へのオマージュです。「春はSA-RA SA-RA」は日本のアイドルのキラメキを体現しています。「魔法少女」シリーズの主題歌として耳に残る歌を探しているときに見つけました。



映画『マジカル・ガール』ポスター。バルバラの顔の傷が黒蜥蜴になっている。

(オフィシャル・インタビューより)

カルロス・ベルムト(Carlos Vermut) プロフィール
1980年3月6日生まれ。マドリードの第10美術学校でイラストレーションを学び、エル・ムンド紙でイラストレーターの第一歩を踏み出した。2006年に初の単独著作「El Banyan rojo)赤いバニヤンの木)」を出版。2008年には、TVEで放送されたテレビシリーズ『Felly Famm』を製作。翌年、初の短編映画『Maquetas』が第7回ノトド映画祭でグランプリを受賞。同年、2作目の短編『Michirones』も発表。2011年、『Felly Famm』で持つ権利の利益を資金に、初の長編映画『Diamond Flash』を自身の会社サイコソーダ・フィルムでインディペンデント映画として製作。2012年、コメディアン・グループ、ヴェンガ・モンハス出演の短編『Don Pepe Popi』の監督・脚本を務めた。また、大ファンだと公言している日本のマンガ「ドラゴンボール」にオマージュを捧げ、再解釈したコミック「Cosmic Dragon」を出版している。



映画『マジカル・ガール』より Una producción de Aquí y Allí Films, España. Todos los derechos reservados©

映画『マジカル・ガール』
3月12日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー

監督:カルロス・ベルムト
出演:ホセ・サクリスタン、バルバラ・レニー、ルイス・ベルメホ、ルシア・ポジャン
2014年/スペイン/カラー/127分/シネスコ
配給:ビターズ・エンド

公式サイト
http://www.bitters.co.jp/magicalgirl/

▼映画『マジカル・ガール』予告編



投稿者:webDICE編集部
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