名張市乱歩関連事業アドバイザーである。
ちゃんとしような。
さて、それにしても、ほんと、お役所ってのはどうしてあんななんだろうな。
私に在っては智なりな個人も、官に在っては愚なりになってしまうのだからなあ。
城山三郎に「官僚たちの夏」という作品があって、おれは読んでおらず、おととしにはTBS「日曜劇場」でテレビドラマ化されたのだが、おれは視聴しておらん。
でもって先日、この本を読んでいて──
▼2011年3月22日:城山三郎伝 昭和を生きた気骨の作家
「官僚たちの夏」の主人公、風越信吾は佐橋滋という実在の通産官僚がモデルであることと、佐橋滋自身が「週刊文春」に「官僚たちの夏」の感想文を発表していることを知った。
その感想文を孫引き。
わたしは何によらず、ものごとにいい加減な取り組み方をして、流してゆく生き方を好まない。常に本質に迫ろうとする意欲を持って、自分の能力をフルに使ってみる。それが生きるということだと思う。風越信吾の生き方は馬鹿の見本だろうか。
な。
えらいものである。
中央省庁においてさえ、お役人のみなさんは「ものごとにいい加減な取り組み方をして」いるのがふつうであり、「常に本質に迫ろうとする意欲を持って、自分の能力をフルに使ってみる」ようなのは「馬鹿の見本」ということになるらしいのである。
名張市役所のみなさんも、お仕事をいいかげんに流すばかりで、本質に迫ろうなどとはちっともせず、能力をフルにつかおうともまったくしないという点において、中央省庁のキャリアなみだということか。
ご同慶のいたりである。
だからまあ、名張市立図書館は典型的なお役所であり、その意味では正しいお役所というわけである。
乱歩関連資料を収集するといっときながら、本質に迫ることをまったくせんのだからな。
本質に迫ろうと思ったら、とりあえず乱歩作品を読まにゃならんじゃろう。
乱歩のことを知ろうとしなければならんじゃろう。
てゆーか、名張市立図書館には資料収集の本質ってのがどんなものなんだか、それすらわかっておらんのだぞ。
なんのために収集しておるのか、つまり目的も、どうやって収集するのか、つまり手段も、なにひとつわからぬまま、きわめていいかげんなとりくみかたをして、ただ流してきただけ、というのが名張市立図書館における乱歩関連資料の収集なのであり、もとより「かの気風なるものに制せられて人々自ら一個の働きを逞しうすること能わざる」わけだから、能力をフルにつかうなんておよびもつかない。
しかし、それこそがお役所の王道であり、名張市立図書館はお役所仕事の王道を粛々と歩んでおる、ということになるわけである。
だから、なにいったってむだなわけよ。
お役所というのは神聖不可侵にして、不動不可変の世界なのである。
そんな世界に外からずかずか侵入して余計なことしてんじゃねーよ、公務員の仕事を増やすなっつってんだろーが、つか、公務員の無能と怠慢を暴きたててんじゃねーよ、というのが■■■■さんの心の叫びだったのである。
■■■■さんというのは、むろんこの■■■■さんである。
先日はお知らせありがとうございました。お手数をおかけして
恐縮しております。恐縮ついでにお願いしたいのですが、明29
日、乱歩関連事業アドバイザーとして二、三点、お訊きしたいこ
とがありますので、総務部長の■■■■さんのご同席をたまわり
たく、勝手ながらご手配をお願いできれば幸甚です。よろしくお
願い申しあげます。
2011/03/28
お役所という遅れず休まず働かずの世界は、無能と怠慢の極楽王土でなければならねーんだよばーか、というのが、■■■■さんのみならずすべての公務員の赤裸々な本音であり、いくらおめーが余計なことしてみたところで、おれたちゃそんなことまったく知らねーからな、というのが■■■■さんのみならずすべての公務員の猿にも劣る判断だということになるであろう。
で、動かんな、変えられんな、とおれは思った。
お役所という不動不可変の世界を前にして、そう思わざるをえなかった。
それはもうひどいもので、■■■■さんとおっしゃる当時教育次長でいらっしゃった腐れ公務員が、まったく関係のない場でなぜか本音を口走ってくださる以前から、おれがなに提案しても聞き入れる気はまったくないんだな、という空気はひしひしと感じられた。
みたいなことはこれまでにも記しているから、「名張まちなかブログ」をざっとながめてみて──
▼名張まちなかブログ:考えるのがそれほどいやか(2010年12月22日)
■■■■さんになにをお訊きしても、いっさい反応はなかった、というあたりのことから引用。
催促しても、返事はなかった。
お願いだからこの件について考えてくれんか、と依頼しても、なにも考えない、なにも答えない。
それがお役所というところである。
無能と怠慢に支配されたお役所という世界では、なにをいってやってもなにも動かない。
だれひとりとして、ものごとを真剣に考えようとしない。
思考を停止させ、先送りとだんまりを決め込み、責任を回避してあやしむことがない。
やってらんねーよばーか、とおれが思ったのも、無理のないことであったとおれは思う。
しかも、これとはべつに、テロ用特選素材として秘匿温存している門外不出のエピソードもあって、やれやれ、そこまでいわれたんじゃいつまでも図書館の嘱託やってるわけにもいかねーじゃねーか、なんかもうばからしいしな、と思って、おれは名張市立図書館とおさらばしたのである。
しかし、乱歩にかんしてやらねばならんことはあるのだから、名張市立図書館にはおさらばするとして、NPOでもつくって活動するか、と考えた。
ま、血迷っていたのであろうな。
おれはもともとNPOなんて嫌いなのだが、にもかかわらずNPOでもつくろうかと考えたのは、それほどまでにお役所の現実というやつに絶望していた、ということであったとご理解いただきたい。
とはいえ、NPOをつくって活動するにしても、活動の柱のひとつは、名張市立図書館が収集した乱歩関連資料を活用する、ということになるはずだったから、NPOをつくるにあたっては市立図書館とのあいだに密接で良好な関係性を構築することが前提になる。
そのあたりのことも含め、NPOつくろうかと考えておるのですがいかがなものでしょうか、と名張市に文書を提出して見通しを質問したのじゃが、例によって例のごとく、返答はない。
とにかくもう、なにかを考えるのがとてもいや、ということなのであろうな。
さすがにほとほといやになって、名張市立図書館のこともNPOのことも、もうどうだってかまわねーやばーか、ということにしてしまったのだが、そうこうしてるうちに名張市がまちなか再生事業というプロジェクトをみごとなまでの失敗に終わらせてしまった。
それはもういっそ感心してしまうほど壊滅的なまでの失敗であって、なんであんなことになったの? とか、いったいなにがあったの? とか、名張市民以外のかたからもたまに尋ねられたりすることがあり、とくにまちなか再生事業のうちの乱歩関連事業のことを記録しておくようにというご依頼をいただいたりもしたので、うわーっはっはっは、と腹を抱えて大笑いできる漫才を失敗の記録として発表しておかにゃならんじゃろうな、と考えておったのじゃが、思いもかけなかった3・11のばかったれのせいで、ちょっと困ったことになったなあ。
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