ひさしぶりで中井英夫の名前を眼にした、という気がしました。なんだかとても懐かしい。
▼ですぺら掲示板2.0:スーパー一考(2011年4月11日)
「中井英夫さんが生きていたら小躍りして喜んだに違いない。似而非文化人が原水爆反対を唱えていたとき、ひとり中井さんは原水爆賛成だった。人類を滅ぼすかもしれない折角の玩具を棄てるなど以ての外だ、と」とのことで、中井さんが原水爆についてどんな発言をしていたのか私にはまったく思い出せませんが、というかここに記されたのは一考さんが中井さんから直接お聞きになったことなのかもしれませんが、いかにも中井英夫らしいエピソードではあり、そんな玩具を手にしてしまった人類の愚かさを罵倒し憎悪し呪詛しながら、それでも中井さんは報じられる地獄絵図には静かに涙を流していたのではないか。涙を流すしかなかったのではないか。
先日、池澤夏樹さんが朝日新聞にエッセイを寄せていて、ちょっと検索してみたら全文をわざわざタイピングして転載しているブログがありました。
▼かぶログ:池澤夏樹さんのコラム/「終わりと始まり」(2011年4月6日)
読んでもっとも印象に残ったのが「今からのことを言えば、我々は貧しくなる」という文章でした。ネット検索して初めて知ったのですが、東日本大震災をモチーフにした池澤さんの文章は読売新聞にも掲載されたそうで──
▼NaharajaMajabCafe:池澤夏樹さん被災地を行く(2011年4月13日)
そのエッセイにも「つまり、我々は貧しくなるのだ」と記されているらしく、いろいろと考えさせられることがあったのですが、それはまあそれとして、朝日新聞のエッセイで二番目に印象に残ったのは「最初はよく泣いた」との文章でした。なぜかというとじつは私も最初はよく泣いた口で、そんなことを告白するのは恥ずかしいことだと思って知らん顔して黙っていたのですが、告白するのしないのとことごとしく構えることではまったくないなと思い至り、と書いたところで急な用事が出来してしまいました。本日はここまで。つづきはあしたといたします。
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