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Posted by 中 相作 - 2015.06.23,Tue
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平成27・2015年6月20日 エイガ・ドット・コム
「江戸川乱歩の美女シリーズ」文代役・五十嵐めぐみが語る、明智探偵・天知茂さんとの思い出
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「江戸川乱歩の美女シリーズ」文代役・五十嵐めぐみが語る、明智探偵・天知茂さんとの思い出
2015年6月20日 08:00
(左から)荒井注さん、天知茂さん、片平なぎさ、五十嵐めぐみ
「五重塔の美女 江戸川乱歩の『幽鬼の塔』」より
(C)松竹株式会社
[映画.com ニュース] 1977年からテレビ朝日系「土曜ワイド劇場」枠で放送された人気ドラマシリーズ「江戸川乱歩の美女シリーズ」のブルーレイBOXが6月24日発売する。同シリーズ初のブルーレイ化を記念し、第1~19作で主人公の探偵・明智小五郎の助手、文代を演じた五十嵐めぐみが、撮影秘話とともにニヒルな名探偵役でお茶の間の人気を集めた故天知茂さんとの思い出を語った。
江戸川乱歩の推理小説をベースに、毎回登場する謎の美女を軸にした怪奇事件を明智探偵が解決していくドラマシリーズ。五十嵐が演じた文代は、ダンディな明智にほのかな恋心を抱きながら捜査をサポートする利発な名助手だ。ボーイッシュなショートカットが良く似合う五十嵐のはつらつとした魅力が光り、故荒井注さん扮するとぼけた刑事、波越警部とは絶妙な掛け合いを見せた。
文代を初めて演じた頃のことは「この時期は常に忙しくさせていただいていたのと、まだキャリアもない時期で精神的な余裕がなかったこともあって、細かいことはほとんど覚えていないんです」。当時の土曜の夜のオンエアを見たこともなかったそうで、「最近になって当時の映像を見ると、文代の衣裳も『こんなの着てたんだ!』という感じでしたね(笑)」と語る。
石原裕次郎主演「嵐を呼ぶ男(1957)」、京マチ子主演「黒蜥蜴(1962)」などを手がけた井上梅次監督が、天知&五十嵐コンビが出演したほとんどの回の演出を担当した。「井上監督の演出は丁寧でキメ細かくて、わたしの芝居がイメージと違う場合は『もう少し、こんなふうにやってごらん』という感じで指導してくださって。監督に言われるまま演じていたという印象です」と名匠の指導を述懐する。
凄惨な犯罪を表現する凝った美術セットや、犯人を追い詰めた明智探偵が変装の仮面を剥ぎ取るシーンがシリーズを通しての見どころのひとつだ。「普通のセットにはない仕掛けも必要でしたから、スタッフの皆さんはご苦労されたと思います。現実にはないような空間でも、思わず引き込まれるような作りになっているんです。クライマックスで毎回、天知さんが変装を解くシーンは、たくさんの俳優さんが集まった中での撮影なので、特に緊張感がありました。衣裳をパッと脱いでスーツ姿になるところなんて、今なら違ったやり方もあるでしょうが、当時は手作りの一発勝負でした。でも、あれだけのことができたのも井上監督という存在があったからこそでしょうね。脚本も宮川一郎先生とか、ジェームス三木さんとか、そうそうたる方が書かれていた。今見ても楽しめるというのは、やっぱりそれだけしっかり作られていたことが大きいのではないでしょうか」
「美女シリーズ」放送当時は、天知さんが社長を務めていた事務所「アマチプロゼ」に所属しており、生前の天知さんは昭和のスターそのものという存在だった。「私にとっては当時の事務所の社長さんでしたが、だからといって、気軽に話しかけることはできませんでした。シリーズを何作か重ねていくうちに、少しずつお話ができるようになっていったという感じです。ご本人としても『天知茂』のイメージを大事にされていたんだと思います。天知さんに限らず、映画の全盛時代のスターの方は、会社からもそういう指導を受けていたそうです」。
現場での天知さんは、「(荒井)注さんとはよく話していらっしゃって、私も天知さんとふたりで話すというよりは、天知さん、注さんおふたりの会話を聞いていたときのほうが多かったかもしれません。天知さんは物静かで穏やかな方ですけど、注さんと話すときはよく笑っていた記憶があります」と在りし日の天知さんの姿をしのんだ。
出演したシリーズを通し、思い出に残る作品として、第3作「死刑台の美女」、第7作「宝石の美女」、第17作「天国と地獄の美女」の3作品を挙げる。「死刑台の美女」で文代は、残虐な犯人に拷問器具にかけられるという危機に陥るが「まさか文代があんな目に遭うとは思っていませんでした(笑)。お芝居とはいえ、けっこう痛い思いをした記憶がありますね。井上監督からは現場で『もうちょっとよく見えるようにしてくれ』なんて言われたり(笑)」と懐かしそうに撮影を振り返った。
最後に、往年のファン、そしてこれから「美女シリーズ」の魅力に出合う若い世代へ向けてメッセージを寄せてくれた。「天知さんという素晴らしい俳優さんの存在と、原作の素晴らしさ。そして井上監督のセンス……。この3つが合わさり、掛け算的な効果を生んでいると思います。それぞれの話に出演されたゲストの方々の魅力も大きいです。女優さんはもちろん、西村晃さんや田村高廣さん、伊東四朗さんといった方々の演技も、作品をより面白くしています。こうやって長く支持され、本当に『やって良かった』と感じる仕事のひとつです。私の人生の中で、天知さんや井上監督との出会いはとても大きなことで、おふたりは亡くなられてしまいましたが、ご一緒した作品がこうやってブルーレイ化され、残り続けるというのはうれしいことです」
江戸川乱歩没後50年、天知茂没後30年という節目の年を記念して最新HDリマスターを施した「江戸川乱歩の美女シリーズ Blu-ray BOX」(13枚組、税別4万6000円)は、ブックレット付きで6月24日キングレコードから発売。
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「江戸川乱歩『魔術師』より 浴室の美女」
(C)松竹株式会社
「赤いさそりの美女 江戸川乱歩の『妖虫』」
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「江戸川乱歩の黄金仮面 妖精の美女」
(C)松竹株式会社
「化粧台の美女 江戸川乱歩の『蜘蛛男』」
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