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Posted by 中 相作 - 2015.06.17,Wed
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平成27・2015年6月13日 読売新聞社
推理小説アンソロジー…名探偵、古書などテーマ多彩
川村律文
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平成27・2015年6月13日 読売新聞社
推理小説アンソロジー…名探偵、古書などテーマ多彩
川村律文
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推理小説アンソロジー…名探偵、古書などテーマ多彩
2015年06月13日 08時20分
切り口を変えて、さまざまな編み方ができるアンソロジー。多種多様な選集が刊行されている
蒸し暑い夜のお供に、切れ味鋭い短編ミステリーはもってこいだ。
しかも、多彩な作品が読めるアンソロジー(選集)は、意外な名品にであうチャンスもある。今回は文庫で読める推理小説アンソロジーを集めてみた。
『「このミス」が選ぶ! オールタイム・ベスト短編ミステリー』(宝島社文庫)は、昨年12月刊の『このミステリーがすごい!2015年版』で行った国内の短編に関するアンケートの上位10作を2分冊で収録した。4月刊の『赤』では連城三紀彦「戻り川心中」「桔梗の宿」に江戸川乱歩「押絵と旅する男」、5月刊の『黒』では大坪砂男「天狗」や鮎川哲也「達也が嗤う」。よく知られた作品だが、古びて感じないのは、やはり名作だからか。
一方、『名探偵の饗宴 』(朝日文庫)は、1998年に刊行された作品集の文庫化。山口雅也「キッド・ピストルズ」、麻耶雄嵩 「メルカトル鮎 」など多彩な探偵の顔ぶれが楽しい。
日本推理作家協会にちなんだアンソロジーも多い。人気作家が選者となる同協会編「スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎」(講談社文庫)は9冊が刊行。双葉文庫では今月から、協会賞(及び前身の賞)の受賞作家の短編を集めた新シリーズが始まる。北陸新幹線開通に沸く古都を舞台とした『金沢にて』、北海道・東北をテーマにした『雪国にて』。いずれも人気作家の粒ぞろいの短編を収める。
多数の選集を刊行するミステリー文学資料館の編著では『古書ミステリー倶楽部3』(光文社文庫)。古書がテーマだけに、同シリーズでは野呂邦暢 や小沼丹など、純文学系の作家の佳品も取り入れている。『3』では、小説の単行本は私家版の刊行のみという作家・長谷川卓也さんの「一銭てんぷら」も収めるなど、マニアでもにんまりする品ぞろえだ。
最後に、翻訳作品の選集を紹介したい。江戸川乱歩の造語である「奇妙な味」をテーマに作品を選んだ『街角の書店』(東京創元社、中村融 編)は、ミステリーから幻想小説、SFと多彩な作品が目白押し。ノーベル賞作家・スタインベックのユーモア短編から、ホラーの大家シャーリイ・ジャクスンの佳品、ジョン・アンソニー・ウェストの「肥満翼賛クラブ」という寡作の作家の名品まで、ひねりの利いた18編は不思議な余韻を残す。本邦初訳や、新訳も数多く収めた労作だ。
旬の作家と隠れた名品
『古書ミステリー倶楽部』シリーズの編集委員を務めたミステリー評論家の新保博久さん=写真=に、アンソロジーの魅力について聞いた。
◇
編者としては、バランスを考えます。全く知らない作家ばかりでは読者は手に取らない。旬の作家を押さえながら、知る人ぞ知る名品、知られていない短編を入れていく。テーマを決めることで、他の形では出しづらい作品も入れられる。
アンソロジーは読書の入り口になる。読んだことがなかった作家に触れて、気に入ったものがあればその作家の短編集や長編に進む。だから、忘れられかけた作家を入れたくなります。
インターネットによる情報過多の表れとも感じます。この作家は何を読めばいいのか、読者の知りたいという欲求が高まっている。面白いものを読みたい、外れは引きたくない。傑作を読み逃したら損だという強迫観念がある。選ぶ側のカリスマ性も重要で、人気作家が編む『スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎』(講談社文庫)は好調のようです。伊坂幸太郎さんや米澤穂信さんが選んだ『連城三紀彦レジェンド』(同)のように、人気のある人に勧められないとなかなか買わない。
とはいえ、つまらないものを読んでいないと、面白い作品に出会った時の感動がない。時には外れを引くことで、自分で作品を選ぶ力が身につくはずです。
(川村律文)
2015年06月13日 08時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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