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Posted by 中 相作 - 2015.04.19,Sun
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ダ・ヴィンチNEWS
 平成27・2015年4月16日 KADOKAWA・DWANGO

特別出展「多賀新×江戸川乱歩」本の世界へ見るものを誘う「ビブリオテカヴァニラ」開催
 リーズ
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特別出展「多賀新×江戸川乱歩」本の世界へ見るものを誘う「ビブリオテカヴァニラ」開催

2015.4.16

 本を読んでいると、その世界が頭の中に浮かんでくる。それは絵だったり、写真だったり、映像だったりと様々ではあるが、脳内を「芸術」が支配していることは間違いない。それだけ、本と芸術は切っても切れないものとなっている。

 GWに開催される「Bibliotheca Vanilla(ビブリオテカヴァニラ)」がまさに「本」と「美術」をテーマにした展覧会だ。「本」とそこに記された「物語」をモチーフにした作品を、画廊内に設置した巨大な本棚に展示。本に記された物語にインスパイアされた挿絵や、立体作品をはじめ、本にまつわる作品が並ぶ「幻想の書架」、「夜の書架」とそれぞれ異なる書架が立ち上がり、本の世界へ見るものを誘う。



「Bibliotheca Vanilla」の目玉が多賀新×江戸川乱歩。最近、春陽堂書店から、多賀新がカバー絵を手がける「江戸川乱歩文庫」が再販され話題を呼んでいる。おどろおどろしくも繊細で目を惹く印象的な銅版画作品だ。多賀は、「無意識の中であたかも江戸川乱歩と共作しているのではないかと思うほど、子供の頃に読んだ江戸川乱歩が原点になっている」と述べる。それほどまでに、本から浮かぶイメージは強いのだろう。

 出展している各作家のイマジネーション溢れる書物と、幻想の書架を楽しんでいただきたい。









黒木あるじ(作家)コメント
 図書館、書店、自宅の書棚。整然と並ぶ本を眺めるとき、其処に無限の銀河を幻視して、人は静かに興奮する。若し銀河という単語に抵抗があるなら水平線はるか続く大海原に準えても、彼方へ蜃気楼の浮かぶ砂漠に例えても構わない。いわば、書架とは宝物殿なのだ。我々は、テクストとイラストで彩られた旅路の果てに財宝を探しているのだ。だが、ときとして本は獣に変わる。一冊の詩集は青年の人生を変容させ、羊皮紙の古文書は老学者を未知の秘境へ送りこむ。はぐれた雪原の狼、もしくは西部の暴れ馬よろしく、本は読者の魂を狙って牙をむき、手綱をちぎって運命を蹂躙する。博識の女神にして誘惑の悪魔、美麗なる帆船にして地獄行きのバス…本とはいったい何であるのか。その正体を、未だ私は計りかねている。
 そんな美しくも恐ろしい《本》と《物語》の世界に、このたび勇気ある表現者たちが挑むのだという。噂によれば、ある者は書物に潜む幻想を絵筆で塗り直し、ある者は夜にまぎれた物語を媚薬で誘いだすつもりらしい。表紙を開いた先に待ち構えているのは、異形のひしめくサーカス小屋か、はたまたアンドロギュヌスのパレードか。若しくは薔薇で編まれた巨大なロザリオかもしれないし、盲目の楽隊が奏でるレクイエムの可能性とて捨てきれない。ともあれ展覧会を鑑賞したのち、私にとって、そしてあなたにとって《本》という存在の意味は大きく変わっているに違いない。その瞬間を楽しみに、私は画廊の扉が開くのを待ちわびているのである。



参加作家
相蘇敬介/浅野勝美/天野行雄/沖渉二/佳嶋/笠間しろう/黒木あるじ/古賀新一/坂野公一/沙村広明/嶋田真由美/須川まきこ/高橋葉介/たま/東京くりから堂/鳥居椿/呪みちる/林由紀子/泥方陽菜/亡月王/前田寿安/ミストレスノール/村田修/山下昇平/山田緑(五十音順)

特別出展
多賀新×江戸川乱歩
濱中利信コレクション/エドワード・ゴーリー



■GW特別企画展「Bibliotheca Vanilla(ビブリオテカヴァニラ)」
会場:ヴァニラ画廊
住所:東京都中央区銀座8-10-7 東成ビル地下2F
日時:2015年4月27日(月)~ 5月16日(土)
時間:(平日)12:00~19:00 (金)12:00~20:00 (土日祝)12:00~17:00
入場料:500円
※会期中無休/GW全日営業

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