没後50年 乱歩の世界を味わう

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　平成27・2015年4月5日　産経新聞社、産経デジタル

没後50年　乱歩の世界を味わう
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2015.4.5 10:30

【手帖】

没後５０年　乱歩の世界を味わう



リニューアルされた江戸川乱歩文庫の『陰獣』(春陽堂)

　日本の探偵小説の父、江戸川乱歩（１８９４～１９６５年）の没後５０年に合わせ、関連書籍が相次いで刊行されている。

　『乱歩ワールド大全』野村宏平著（洋泉社・１５００円＋税）は、乱歩マニアであるミステリ評論家による研究本。個性的なキャラクターや、変身願望、レンズ嗜好（しこう）といったキーワードの持つ意味を探り、トリックの妙やシチュエーションの様式美も紹介する。乱歩の全著作を俯瞰（ふかん）し、その妖しげな世界の魅力に迫っている。

　一方、春陽堂はロングセラーの江戸川乱歩文庫を今春にリニューアルした。

　全３０巻構成だった旧版から売れ行きのいい１３巻を選出。銅版画による装丁はそのままに、本文の文字を大きくし、巻末には新たに解説や資料も収録した。

　２月発売の『陰獣』と『孤島の鬼』に始まり、３月刊は『人間椅子』と『地獄の道化師』。５月以降は隔月刊で、１１月に完結する予定。