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Posted by 中 相作 - 2015.04.03,Fri
ウェブニュース

産経ニュース
 平成27・2015年3月30日 産経新聞社、産経デジタル

芦原すなおさん「恐怖の緑魔帝王」 常識突き抜けた発想…乱歩の魅力
 戸谷真美
 Home > ライフ > 学術・アート > 一覧 > 記事

2015.3.30 10:00

芦原すなおさん「恐怖の緑魔帝王」 常識突き抜けた発想…乱歩の魅力

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今回の作品は「妖しい小部屋で『さあ遊んでごらん』と言われているみたいでわくわくした」と語る芦原すなおさん=平成27年2月、東京都新宿区のポプラ社本社

 日本のミステリー小説の礎を作った江戸川乱歩(1894~1965年)。直木賞作家の芦原すなおさん(65)が今月、乱歩の人気シリーズ「少年探偵団」へのオマージュ小説として書き下ろした『恐怖の緑魔帝王』(ポプラ社)を出版した。昨年の生誕120年を記念した「みんなの少年探偵団」シリーズの最終第4弾で、芦原さんは「乱歩先生の怪しい小部屋で遊ぶようなわくわくした気持ちで書いた」と話す。

 緑ずくめの謎の怪人が、富豪が持つ雪舟の水墨画と彼の美しい娘を狙い、名探偵・明智小五郎の助手の小林少年ら少年探偵団や怪人二十面相と対決する物語。着想のきっかけは研究書で二十面相の本名を再認識したことだった。

 希代の大盗賊の本名は遠藤平吉。「そんな普通の名前でいいのか、と。一気に人間らしく感じて、彼の対立軸になるような人間を出してみようと思った」と笑う。原作では詳しく明かされない二十面相の生い立ちも描かれ、人気の高い敵役の人間的な一面を垣間見ることができる。

芦原すなおさん「恐怖の緑魔帝王」 常識突き抜けた発想…乱歩の魅力

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今回の作品は「妖しい小部屋で『さあ遊んでごらん』と言われているみたいでわくわくした」と語る芦原すなおさん=平成27年2月、東京都新宿区のポプラ社本社
 芦原さんは「僕らの世代にとってはレジェンド(伝説)」と語るほどの乱歩ファン。しばしば、当初の設定や伏線と「つじつまが合わない」ことが指摘される乱歩作品だが、「それこそが最大の魅力」と言う。「乱歩先生は話を面白くするために、書きながら物語を膨らませていく。それで後から頭を抱えることが多かったらしい。でも、常識を突き抜けた発想力で、ほかのどんな作家にも書けないものを残した。僕は結末を決めずに書くことはできないが、筆が連れていってくれるままに書く、という乱歩先生的な方法もいいんじゃないかと思いました」

 本作では明智小五郎はもちろん、井上一郎ら少年探偵団の団員、団員たちに慕われる花崎マユミらおなじみの登場人物を多く出し、ユーモアたっぷりに描いた。「『少年探偵団』には、冒険のスリルとツッコミどころ満載のユーモアがある。僕の作品を読んで、もう一度原作を手に取ってもらえたらうれしい」(戸谷真美)
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