Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2015.03.06,Fri
春陽堂書店のリニューアル版江戸川乱歩文庫、結構好評みたいです。
春陽堂書店です。新聞広告、記事掲載の後、書店様経由での江戸川乱歩文庫定期購読のお申し込みを沢山いただいております。ありがとうございます。早速手配しております。3月20日の全国書店様への第二回配本をお楽しみにお待ちください。
— 春陽堂書店 (@shunyodoshoten) 2015, 3月 5
そうかと思うと、こんなツイートが。
春陽堂『孤島の鬼』のリニューアルが酷い。旧版にはちゃんとあった例の大問題シーン(お察し)がごっそり抜け落ちてる。文字もデカデカとしてるし紙の手触りも良くないし児童書として出したのかなと思った。同じくリニューアルされた『陰獣』買おうと思ったけどもう古本の旧版買うわ…
— インバンブー (@InBamboo) 2015, 3月 4
会話を表示すると、話の流れをたどることができます。
いささかの説明を加えておきますと、「孤島の鬼」を収録した春陽堂版乱歩全集第一巻は昭和30年2月に刊行されましたが、「孤島の鬼」の本文には脱落がありました。
そのため、同年4月発行の第六巻には、「孤島の鬼」の脱落部分が別刷りで添えられました。
あいにく現物が手もとになく、脱落部分を確認することができないのですが、とりあえず第六巻の書誌データをどうぞ。
▼名張人外境:江戸川乱歩著書目録 > 昭和30年●1955
光文社文庫版全集第四巻『孤島の鬼』の「解題」によれば、今回のツイートで問題になっている箇所は、春陽堂版全集で「不注意により脱落」とのことですから、全集の脱落がそのままリニューアル文庫版に引き継がれたものとみて間違いないようです。
ついでに、このツイートですが。
宮沢賢治ほどではありませんが、乱歩も自作に手を加えることがありました。一番分かりやすいのは『孤島の鬼』かもしれません。春陽堂版の同作品は、光文社さん、東京創元社さん版にある「ある部分が」ありません。昭和30年乱歩が最後に自作に手を入れた春陽堂版乱歩全集刊行時から「ない」のです。
— 春陽堂書店 (@shunyodoshoten) 2015, 3月 5
乱歩が手を入れた全集は、昭和36年から38年にかけて発行された桃源社版です。
以上、春陽堂書店編集部にはよく事情が呑み込めていないようなので、おせっかいではありますが、あえて一言、横からくちばしを差しはさんだ次第です。
もしも私が春陽堂書店の社長であったなら、リニューアル版『孤島の鬼』はすべて回収し、脱落部分を増補した新たなリニューアル版を発行しているところですが、そげなこつはとても望めませんじゃろう。
ともあれ、春陽堂書店のリニューアル版江戸川乱歩文庫、全十三巻のつつがない刊行を切に祈念する次第です。
すでにつつがはあるわけですけど。
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