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Posted by 中 相作 - 2015.01.05,Mon
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平成27・2015年1月3日 佐賀新聞社
初夢とめでたい回文
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初夢とめでたい回文
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初夢とめでたい回文
2015年01月03日 05時00分
紋章上絵師にして奇術はプロ級。異色の推理作家として活躍した故・泡坂妻夫(あわさかつまお)さんは作品にも遊び心と技巧を縦横に織り込み、読者を楽しませた◆『喜劇悲奇劇(きげきひきげき)』(角川春樹事務所)に凝らしたのは回文。上から読んでも下から読んでも、というあれである。題名をはじめ、「期待を抱き」などの章題や事件の被害者の名前も回文。結びは「わたしまた、とっさにさっと欺(だま)したわ」。それが物語の自然な台詞(せりふ)だから恐れ入る◆江戸時代に流行した縁起物の考案者も、遊び心の持ち主だったのだろう。七福神の宝船の絵を枕の下に入れて寝ると、いい初夢を見るとされた。これには<長(なが)き夜(よ)の/遠(とお)の眠(ねぶ)りの/皆目覚(みなめざ)め/波乗(なみの)り船(ぶね)の/音(おと)の良(よ)きかな>という回文の歌が添えられていた◆回文そのものに物事がうまく回る、の意味があるらしい。悪い夢を見ても、宝船の絵を川に流せば帳消しにできたとか。ゲン担ぎには新年をよい年にという切なる願いがうかがえるが、それは現代人も変わらない。寒気が包んだ今年の新春も各地の神社や寺院は多くの初詣客でにぎわっている◆泡坂さんの大先輩の江戸川乱歩が好んだ言葉がある。「現(うつ)し世は夢、よるの夢こそまこと」。夢もあだやおろそかにはできない。その年最初の夢を初夢と解釈すれば、まだの方もおられよう。今夜あたり、めでたい回文を枕の下に。(善)
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