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Posted by 中 相作 - 2014.10.24,Fri
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平成26・2014年10月22日 佐賀新聞社
遊民とミステリー
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遊民とミステリー
2014年10月22日 05時00分
近代探偵小説の祖といえばエドガー・アラン・ポー。日本における創始者の江戸川乱歩がポーの名をもじって筆名としたのはよく知られる。きのうは乱歩の生誕から120年の日だった◆ポーは米国の作家だが、ミステリーの系譜をさかのぼると英国に行き着く。理由の一つは遊民の存在だという。「例えば思わぬ遺産を相続し、一生遊んで暮らせる資産を手に入れた人が、田舎に引っ込んで豊かな時間と余裕が持てたからだ」(高橋哲雄著『二つの大聖堂のある町』ちくま文庫)◆特に仕事も持たずに暮らす人、つまり遊民の存在が英国の豊かなミステリー文化を生み、中産階級がその読者となった。生活のための仕事に追われていては、学習とも生活とも無縁の分野が栄えることはなかったというわけである◆ロンドン留学で、その土壌に触れたからか、夏目漱石の『それから』や『こころ』にも高等遊民が出てくる。ただのらくらしていればいいかというとそうではない。かなりの教養と見識を持ち、周囲に敬愛される品格があってこそだったようだ◆その遊民という言葉もいつか死語になった。遊民を生む社会が必ずしも健全とはいえないだろうが、そんな人間を受容しない社会もどこか寂しい。芸術の隆盛には、かつての遊民のような存在があった。そんなことを思うのは季節のせいか。(善)
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