Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2014.05.24,Sat
乱歩生誕百二十年の年も5月下旬に突入し、九年目を迎えた新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館もそろそろ終盤。
きよう24日には、旧乱歩邸でギャラリートークが催されます。▼新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館:旧江戸川乱歩邸 特別公開&トーク
ツイッターを検索してみると、旧乱歩邸の特別公開に足を運んだひとのツイートもちらほら。
なかで注目すべきは、このさえずりでしょう。
ミステリマガジン7月号シャーロック特集は明日発売ですが、我ら編集部は来月号の乱歩生誕120周年に絡めた幻想と怪奇特集のため、新保教授と江戸川乱歩記念大衆文化研究センターの落合さんにナビゲートいただいて乱歩邸の取材に行ってまいりました! pic.twitter.com/DB9dydgSmI
— Maiko Kozuka (@kozukata) 2014, 5月 23
「ミステリマガジン」恒例の幻想と怪奇特集、今年は乱歩がらみとなるようです。
乱歩ファンのみなさんは、どうぞお楽しみに。
それにしても、さすがは乱歩、というべきか、やっぱあちらこちらから乱歩生誕百二十年というフレーズが聞こえてくる感じなんですけど、生誕地の名張はどうよ、乱歩生誕百二十年なのに名張市はほんとになにもせんのか、という疑問は先日、徳島県でも話題になっていたような気がいたしますが、ほんと、どうなんでしょうね。
いっぽう、名張市のおとなり伊賀市では、芭蕉生誕三百七十年の気運がいよいよ盛りあがってきたみたいです。
▼伊賀タウン情報YOU:駅前広場の芭蕉像が破損 伊賀市が被害届提出(2014年5月22日)
▼朝日新聞デジタル:芭蕉像 壊される?(2014年5月23日)
▼伊勢新聞:伊賀 駅前の芭蕉像破壊 人為的か、つえ一部落下(2014年5月23日)
▼中日新聞 CHUNICHI Web:「許せない」憤る地元 芭蕉像つえ損壊(2014年5月24日)
これは面白い。
フーダニットもむろんそうですが、むしろハウダニット、ホワイダニットという点にこそ興味をおぼえます。
この謎を解明することが、芭蕉生誕三百七十年の伊賀市における最大の記念イベントになるのではないか。
中日新聞の記事によれば、「防犯カメラの解析や聞き込みをして、必要があれば折れたつえを県警科学捜査研究所(津市)で鑑定する」とのことですから、なんか、沢口靖子さんが乗り出してくれたらうれしいな、とかも思いつつ、今後の展開を注視したいと思います。
それにしても、漫才のネタにうってつけの事件ではあります。
漫才といえば、地域雑誌「伊賀百筆」から個人雑誌「伊賀一筆」にスライドすることになった漫才「続・僕の図書館戦争」の件ですが。
この漫才に、「虎は死して皮を残し伊賀の蔵びらきは大失敗に終わってあほを残す」とか、「バショーサンガーバショーサンガーゆうて鳴きながら十年に一度わいて出る害虫がいるらしいんです」とか、「伊賀の蔵びらき事業の残党が十年後の今年どれだけ伊賀市にわいて出てバショーサンガーバショーサンガーゆうて鳴いたのかは正確には把握できてません」とか、そういったことを記しましたけど、十年前の「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」の残党がほんとにわいて出た、というニュースもありました。
▼MSN産経ニュース:芭蕉への思い、各界著名人綴る 伊賀・栄楽館 三重(2014年5月17日)
なんかもう、どうぞ漫才にしてくださいな、といわんばかりのネタだなあ。
ま、「伊賀一筆」の漫才はもう打ち止めになってるわけですけど。
で、おとなりの伊賀市がいいだけ盛りあがってるっていうのに、名張市はどうよ。
というのも、先日の徳島大宴会で、やっぱ大宴会は楽しいな、とあらためて実感いたしましたので、それ以来、せめて乱歩生誕百二十年の年くらい、生誕地の名張で乱歩にちなんだ大宴会があってもよさそうなもんだけど、と朝な夕なに思案している私です。
少し以前までなら、乱歩関連事業として年に一度、日本推理作家協会から講師の先生を派遣していただいたミステリ講演会が開催されていましたから、筋金入りの乱歩ファンのかたに当地までおいでいただく契機にはなっていたのですが、それもなくなって早いくとせ。
というか、日本推理作家協会からの講師派遣が打ち切りになったらなったで、むしろそれこそが好機、花形ミステリ作家の先生がたのおはなしもよかったんですけど、乱歩に照準をさだめ焦点をしぼった講演会を毎年毎年、着実にやってく方向へ路線を修正してもよかったんだけどなあ、みたいな話も徳島でしたような気がいたします。
しかし、そんなこと、名張市役所のみなさんに期待するのは、無理というか、酷というか、夢物語というか。
夢物語でよいのだ。
夢物語でよいのだ。
とはいうものの、年に一度でいいから、乱歩ファンのみなさんが名張のことを懐かしく思い出し、今年はひとつまた名張へ行ってみようかな、と思っていただけるような場を設定することも、乱歩生誕地の名張市には必要なのではないか。
ところが、乱歩生誕百二十年記念大宴会を名張市で開こうにも、わざわざ足を運んでいただけるほど魅力的な乱歩関連のイベントが、ほんとになんにもないんだもんなあ。
こんなことでは、よくないのではないか。
こんなことでは、よくないのではないか。
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