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Posted by 中 相作 - 2014.02.11,Tue
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毎日新聞
 平成26・2014年2月8日 毎日新聞社

余録:「お母さんは10ミリヘレンやで」…
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余録:「お母さんは10ミリヘレンやで」…

毎日新聞 2014年02月08日 00時38分(最終更新 02月08日 00時40分)

 「お母さんは10ミリヘレンやで」。きげんが悪くなったお母さんにこう言ったのは奈良市立青和(せいわ)小学校の4年生、幡鎌太郎(はたかま・たろう)君だった。「ミリヘレン」は最近読んだ本にあった「美しさの単位」のことで、さっそくごきげん取りに利用したのだ▲絶世の美女だったスパルタ王妃ヘレンをトロイの王子が奪ったことで始まったトロイ戦争ではギリシャ軍が1000隻の軍船を動員した。そこで1隻の船を動かせる美しさが「ミリヘレン」なのだそうだ。「続・目で見る数学」(さ・え・ら書房)にあった話である▲「人はなぜ、はかるのだろう?」。こんな問いで始まるこの本は、ゆかいなユーモアを交えながら人類が数と単位とを使ってどうやって世界の知識を広げてきたかを教えてくれた。楽しくなった太郎君は物差しや巻き尺を手に、家中の道具や家具の長さをはかり始めた▲読書感想文全国コンクールで太郎君の「はかることから始まる科学」は毎日新聞社賞を受けた。太郎君は記す。「ぼくの夢は科学者になることです。社会の幸福度を上げるような研究をして、そこで見つけた単位の名付け親になることができたらいいなと思います」▲以前から算数や理科の本が大好きだった太郎君である。もっとも近ごろは江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ)の少年探偵団ものにはまっているそうだ。推理作家になるのも悪くなさそうだが、この前時間旅行が出てくるSFを読んでやはり科学者になってタイムマシンを作る夢を思い出した▲「続・目で見る数学」にはタイムマシンの作り方も書かれていた。ただし無限に長いパイプが必要だという。なかなか大変そうだが、がんばれ!太郎君。
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