Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2010.12.24,Fri
横溝正史と江戸川乱歩(4)
正史の短篇「双生児」は乱歩の同題作品を批判するために書かれた、と仮定して話を進めます。正史はどうしてそんなことをしたのか、ということを考えるより先に、正史はそもそもそんなことをする人間であったのか、という点を確認しておきたいと思います。私は正史の晩年に間に合った世代の人間で、雑誌のグラビアや特別出演した映画のスクリーンで接した好々爺然とした正史をよく記憶しているのですが、そうした晩年の風貌からは想像もつかぬほど、実際の正史は気性の激しい人であったと考えるべきでしょう。
初めて会ったころの正史の印象を、乱歩はこう記しています。
▼〔*1〕探偵小説四十年(2010年10月24日)
正史には「突っかかって来るようなところ」があった。乱歩はそう回想しています。乱歩の歿後、正史はこの記述を受けてこう記しました。
▼〔*2〕「パノラマ島奇譚」と「陰獣」が出来る話(2010年10月24日)
みずからを顧みた正史は、「なにかにつけて突っかかっていかざるをえないような年頃でもあり、境遇でもあった」と自己弁護めいて回顧していますが、乱歩作品の批判として執筆された「双生児」もまた、正史における突っかかりの一例に数えることができるのではないかと判断されます。つまり正史はそんなことをよくする人間であったということにはなるのですが、だとすれば今度は、いったいまたどうして、昭和4年の2月という時点で、乱歩に対してそんな突っかかりに出なければならなかったのかということが気になってきます。
つづく。
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