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Nabari Ningaikyo Blog
Posted by - 2024.11.23,Sat
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Posted by 中 相作 - 2013.11.26,Tue

 来場者十万人か、ともうわさされる名張市のイベント、いよいよ盛りあがってまいりました。

 YOMIURI ONLINE:怪人二十面相、「隠街道市」に現れる縁とは(2013年11月24日)

 地域版ではなく、全国版で扱われたウェブニュースです。

 ですから、YOMIURI ONLINEのトップページにもヘッドラインが流れ、名張ならぬ隠の文字が全国に発信されました。


 さすが全国版の記事ともなると、見出しからして違ってきます。

 怪人二十面相がどうしてどっかの名も知れぬ田舎町に出現するのか、という読者の疑問を先取りし、その田舎町に誕生したご当地アイドル「縁夢寿美ガールズ」の名前を巧みにひっかけて、

 ──怪人二十面相、「隠街道市」に現れる縁とは

 という見出しができたという寸法でしょう。

 たしかに、全国的にみれば、怪人二十面相と名張の関係を知っている人間というのは、ほぼゼロに近いほどの少数でしょう。

 名張市に住んでいる人間の実感としては、名張という地名はやはり、全国的にいうならば、名張毒ぶどう酒事件の聖地として名を馳せているらしい、ということになります。

 ですからまあ、名張といえば冤罪のメッカ、関係者全員が口裏を合わせて平気でうそをつき、無実の人間をしれっと殺人犯に仕立てあげる土地柄、みたいなイメージがまつわりついているのではないかと案じられる次第なのですが、ま、そういうところは実際にあるかもしれません。

 平気でうそをつく、なんてのは、名張市役所のみなさんのおはこじゃねーかばーか、みたいなことはどうでもいいとして、読売新聞の記事では、

乱歩生誕地碑広場(名張市本町)では、午前10時から、「乱歩蔵びらきの会」のメンバーが、乱歩の作品朗読や関連資料の展示を行う。また、市旧細川邸「やなせ宿」(同市新町)では、30日正午から「怪人二十面相なりきりコンテスト」が行われる。

 と紹介してもらった乱歩関連イベントのうち、朗読や展示というじつにちまちましたご町内イベントを担当する乱歩蔵びらきの会が乱歩関連事業の王道として世に送るはずの『奇譚』、本日は「続・ポー」となっております。

(103)

CHAPTER 9
POE. CONTINURED.

"The tones in the voice of the shadow were not the tones of any one being, but of a multitude of things, and, varying in their cadences from syllable to syllable, fell duskily upon our ears in the well-remembered and familiar accents of many thousand departed friends."

── FROM "SHADOW" ──

(3)MYSTIC WORKS.
Poe ノ真面目ハコノ方面ニ存スル。
The Masque of the Red Death Red Death ノ国中ニ魔ノ翼ヲ拡ゲタ時、侯ハ城門ヲ固ク閉ジテ、恐怖ヲ紛ラハス為ニ一夜 fancy ball ヲ催ス。赤イガラス、赤イカーテン、赤イ壁、血ノ色ヲ連想スル第七室ハ誰レモ恐レテ入ラナカッタ。ソノ室カラ Red Death ノ仮面ヲ被ッタ一人ガ

 「things」は「beings」。

(104)

ヨロくト出タ。余リノ奇抜ニ、事ニコソヨレト人々ハ驚イタガ、何ゾ知ランソレハ真実ノ Red Death 患者デ稍々アッテ死ンデ了ッタ。Red Death ハ城中ニ拡ガッタ。人々ハ一人倒レ二人斃レ悉ク死屍トナッテ横ッタ。Red Death ! コレヨリゾ、赤ハ物凄イ色ノ一ツトナリヌ。
The Fall of the House of Usher 地ノ底ニ沈ミ行ク様ナ、厚イ霧ニ閉サレタ様ナ、沈欝ナ一篇。滅ビ行ク Usher 家ノ灰色ノ家ハ物凄イ。eye like window ト云フ字ヲ面白イト思ッタ。滅入ル様ナ暗イ室デ、メランコリヤノ Usher ガ読ム書物ハ次ノ如キモノダ。

Gresset:

Ververt et Chartreuse

Machiavelli:

Belphegor

Swedenborg:

The Heaven and Hell

Holberg:

The Subterranean Voyage of Nicholas Klimm

Robert Flud, Jean
D'Indaginé, Chambre:


(105)

The Chiromancy(掌文ト卦法)

Tieck:

The Journey into the blue distance

Campanella:

The City of the Sun

Dominican Eymeric de Gironne:

The Directorium Inquisitorium
────
Pomponius Mela(about the old African Satyrs and Oegipans)
────
The Vigiliae Mortuorum secundum Chorum Ecclesiae Maguntinae(The manual of a forgotten church)
僕自身モ一度読ミ度イト思フ。
William Wilson 「オ前ハ今二階ニ居ルカ下ニ居ルカ」ト問ハレテモ一寸ト分ラヌ様ナ、大キナ深イ、複雑ナ英国ノ学校ニ居ッタ時、自分ト同姓同名ノ William Wilson ト云フ青年ガ居タ。妙ナ事ニハ彼ノ生年月日ガ私ト全々同ジ

 「全々」は「全然」だと思います。

(106)

デアル。二人ハ仲ガ悪カッタガ、私ハ何故トモナク彼カラ威圧ヲ感ジタ。ソシテ彼ガ私ヲ苦シメタノハ彼ガ私ヲ真似ル事ダ。姿、声、身振リ、服装、ステッキニ至ル迄私ト同一ノモノヲ用ヰタ。而モ不思議ナ事ニハ同級ノ誰レモコノ事実ニ気ガ附カナカッタ事ダ。アル夜私ハソット彼ノ寝顔ヲ見タガ、戦キ乍ラ動ケナクナッタ。彼ノ寝顔ハ私ソノモノデアッタ。ソレカラヅット後、私ガ不正ナカルタヲ争ッテ居ル時、音モナク室ニ入ッタモノガアル。入ルト同時ニ蠟烛ガ消エタノデ何物ダカ分ラヌガ。私ノ不正ヲ曝露シタ。ソノ時ノ咡語ク様ナ声ガ、アノ Wilson デアッタ。彼ノ去ッタ後ニ残サレタ一ツノ外套ハ私ノモノト寸分違ッテ居ナカッタ。私ハ彼ヲ一室ニ押ツメテ遂ニ殴打シタ。彼ノ顔ニ血ガ流レタ。フト見ルト室ノ有様ガ俄然一変シタ。大キナ姿見ガ出来タ。私ガソレニ近ヅクト、向カラ私自身ガ近ヅク。ソノ顔カラハ真赤ナ血ガ流レテ居ッタ。ソノ私ガ私自身ニ云フ。己レヲ殺セバオ前モ死ヌノダ、オレハオ前ソノモノダ。ト私ハ眩暈ヲ感ジテ倒レタ。姿見ノ下リガ馬鹿ニヨイト思フ。
The Premature Burial 篇頭ニ記シテ曰ク。

(107)

 We thrill, for example, with the most intense of "pleasurable pain" over the accounts of the passage of the Beresina, of the Earthquake at Lisbon, of the Plague at London, of the Massacre of St. Bartholomew, or of the stifling of the hundred and twenty-three prisoners in the Black Hole at Calcutta.
 To be buried while alive is, beyond question, the most terrific of these extremes which has ever fallen to the lot of mere mortality.
 篇中ノ優ハ、アル婦人ガ死ンデ埋葬セラレタ。数十年ノ後再ビ死人ガアッテ墓地ノ穴蔵ノ戸ヲ開クト、カラくト音シテ落チタモノガアル。戸ノ内側ニ婦人ノ経帷子ガ引カッテフワく風ニ揺レテ居タ。カラくト音シタノハ足下ニ横ハル白骨ノ落チタ音デアッタ。婦人ノ棺ヲ見ルト捻ヂ開ケラテアッ

(108)

タ。ソレデ確カニ在ッタ油壺ノ油ガ一滴モナクナッテ居タ。然シソレハ蒸発シタノカモ知レナイ。恐シイデハナイカ。
何カ事ガアッテ墓ヲ発掘シテ棺ヲ開イタ時。ヨク死人ノ骸骨ヲ注視セヨ。棺ヲ破ラウトシテ悶ヘタ形ノ残ッテ居ルノモ多カラウ。人生コレヨリ凄惨ナコトハナイ。
コウ云フ医学上興味アル記事ノ出ルノハ仏国 Leipsic ノ Chirurgical Journal デアル相ナ。
挿話ニ面白ノガアルケレド本文ハ割ニ面白クナイ。
The Tell-Tale Heart 綿密ニ綿密ニ綿密ニ注意シテ老人ヲ殺ス辺ノ探偵的興味。心臓ノ音ノ聞ユル物凄サ。アヽ。一トシテ Poe ノ小品ニ Curious novel ノ理想ナラヌハナイ。一ツ一ツ名玉ノ如キ光リヲ放ッテ居ル。
Ligeia 愛妻ノ死後一人ノ後妻ヲ貰フ。彼ハ人ナキ室ニ人ノ気配ヲ感ズルト屡々云ヒ続ケテ死ンデ行ク。ソノ死骸ニ先妻ノ俤ガ現レル。無論夫人ガ入ッテ尚凄イモノ。

 「面白ノ」は「面白イノ」だろう。

(109)

Shadow A parable。読ンダケレドモヨク分ラヌ。モ一度読マネバナラヌ。終リガ凄イ。
Silence A fable。鬼ガ僕ノ肩ニ手ヲカケテ孤独ヲ好ム偉人ノ話ヲスル。余リ孤独々々ト云フノデ鬼ハ天地ヲ静寂ニ帰セシメタ。雲ハ動カズ月亦動カズ木立振ハズ草動カズ。虫鳴カズ、風吹カズ。天地寂トシテ音ナク声ナク真ノ Silence ガ現レル。偉人ハ顔ヲ押ヘテ淋シサニ泣イタ。
詩ヲ読ム様ダ。極メテ短イ。コレヲ暗誦シタイト思フ。Poe ハ僕ノ classic ダ。
A Descent into the Maelstrom 何ト云フ驚嘆スベキ想像ノ力ダラウ。大渦巻ニ捲キ込マレタ兄弟。大渦巻ノ真ニ迫ル描写。大キナモノ程捲キ込マレテ中心ニ至ル速度ノ遅イト云フ物理的ノ興味。実ニ只茫然タル外ハナイ。
The Pit and the Pendulum 清教徒ノ異教徒虐殺。暗黒デハ四方形ガ無数ノ角アル際シナキ広イ室ニ思ハルヽ也。Pendulum ノ一寸一寸近附キ来ル間ノ恐怖。凄サノ数々中々ニ数ヘ尽サレヌ。本当ニ幻ヲ見ル様ダ。

 切りがいいのでここまで。

 それでは、11月30日の土曜日と12月1日の日曜日、どちらさまもどうぞ名張へお運びください。

 圏際・食彩・文化祭 ~ご当地グルメでまちおこしin名張~:Home

 名張は寒いですから、暖かくしておいでくださいな。
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