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Nabari Ningaikyo Blog
Posted by - 2024.11.24,Sun
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Posted by 中 相作 - 2013.10.25,Fri

 きょうの『奇譚』はきのうのつづき、「定期刊行物と探偵小説」のおしまいまででご勘弁いただきます。

(34)

 中学世界
 Wells 流ノ科学小説ガヨク出ル。
 太陽
 昔ノ太陽ニハヨク不思議小説ガ載ツタモノダ。Sherlock Holmes ノドレダツタカ忘レタガ誰カヾ訳シテ出シタ事ガアル。
 文芸倶楽部
 昔ノ文系倶楽部ニ誰カヾ Doyle ノ Golden Pince-Nez ヲ訳載シタコトガアル。近頃ハ又岡本綺堂ノ飜訳小説ガ毎号連載サレテ居ル。幽霊ノ旅、黒沢家ノ秘密ナド之デアル。又一種ノ面白味ガナイデモナイガ要スルニ平凡タルヲ免レル事ハ出来ナイ。
 日本少年、少年、飛行少年、少年倶楽部
 少年ハ小説ノ文ヲ味フヨリモ筋ヲ喜ブモノダ。随ツテ低級ナル探偵小説ハ毎号コレラノ雑誌ヲ飾ル。春影ノモノ而モソノ飜訳モノヲ除イテハ見ルベキモノガナイ。ソノ春影ハ逝イタ彼ノ後継者トナツテ探偵小説ヲ書イテ呉レルモノハ誰ダラウ。
 万朝報
 一時明治廿年頃探偵小説ガ小説界ヲ風靡シタコトガアル。ソノ頃涙香ノ

 はい、次。

(35)

飜訳小説ハ大体万朝報ニ載セラレタ。ソンナ時代ガモウ一度来レバヨイト思フ。
 探偵世界 近頃一寸出テスグ消エタ極メテ廉ツポイ。五号活字ノ中ヘ二号活字ヲ沢山混ズル様ナ旧式ナモノ。㐧一表紙ガイケナイ。内容ノ新シカラウ筈ハナイ。

〓〓ノ世界社ノ探偵雑誌ハヨイ
探偵小説時代〓〓〓文学上何ノ値もないとは云つてゐるが奇怪小説ノ立場から見ての話さ

新青年(博文館)主筆森下雨村 寄稿家
        大正九年頃より 保篠竜猪
 最も尤なるもの、遺憾なしといふも可。
新趣味(博文館)
 少し低級なもの、(青)より後ニ創刊。
ポケット(博)
 低級乍ら探偵小説に努力す。
其他講談倶楽部、文芸倶楽部、講談雑誌等夫々掲ぐ。

 このページは「探偵世界」の項で終わっていて、余白に追記があるのですが、この追記が走り書きでまことに読みにくく、どうしても読めないところはゲタにしておきました。

 かろうじて判読できたところも、これで正解かどうか、自信はまったくありません。

 しかもインクの濃淡に差があって、もしかしたら一度ではなく二度にわたって追記されたのかもしれません。

(36)

Je sais tout Leblanc ノ寄稿雑誌
Strand Doyle ノ寄稿雑誌
ピアソン Fleeman ノ寄稿雑誌
大阪毎日社のサンデー毎日ニ Green などの探偵物が続いてのる。

 このページは中扉前の余白なのですが、そこにもこんなふうな追記をみることが出来ます。

 「Fleeman」は「Freeman」だと思います。

 さて、これでようよう第一編はおしまいです。

 どもおつかれしたあッ。
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