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Posted by 中 相作 - 2013.08.04,Sun
ウェブニュース

東京新聞 TOKYO Web
 平成25・2013年8月1日 東京新聞(中日新聞東京本社)

「歌舞伎に定義ない」「仮装大賞必ず録画」 「挑戦の軌跡」熱弁 市川染五郎さん講演
 内田淳二
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「歌舞伎に定義ない」「仮装大賞必ず録画」 「挑戦の軌跡」熱弁 市川染五郎さん講演

2013年8月1日



講演する染五郎さん。会場からの質問にも丁寧に答えた=小山市で

 歌舞伎役者の市川染五郎さんが三十日夜、小山市の白鴎大で講演し、舞台や映画、テレビで多彩な挑戦をしてきたこれまでの軌跡を語った。染五郎さんが大勢の聴衆を前に講演するのは初めて。貴重な機会に、五百人を超える人たちが詰め掛けた。 (内田淳二)

 「歌舞伎を見ると、機嫌がよくなるような子どもだった。皆さんは、役者の家に生まれて大変だと思うかもしれませんが、私は自分の意志で歌舞伎役者になった。それだけ歌舞伎が好きでした」。講演は、自身の原点の話から始まった。

 六歳で初舞台を踏むと、現代劇や映像作品にも取り組んできた。十四歳でシェークスピアのハムレットを演じたときは「歌舞伎は型をなぞることから始まるので『自然な芝居』が正直分からなかった。しかし、この作品で『演じる』ことが好きになった」。

 江戸川乱歩の作品を歌舞伎化したり、犬の「着ぐるみ」を登場させたりと、多様な試みをしてきた経験も披露。手作り感があり、照明が均一に当たる歌舞伎の舞台は「『欽ちゃんの仮装大賞』と似ている」と意外な指摘もし、「参考のため必ずビデオにとっている」と言って会場をわかせた。

 最後は「歌舞伎とは何か」という本質論に言及。「例えば『男がやるもの』『白塗りをするもの』というのも違う。実は定義がない、というのが歌舞伎なんです。とても日本らしい特徴で、それを面白がっています。皆さんも『面白そう』と思っていただけたら、ありがたいです」

 講演は市民講座の一つとして開かれた。白鴎大によると、歌舞伎座(東京・銀座)が今春、改築されたのを機に出演を依頼した。染五郎さんは小さな講演を一度経験したことがあるだけで、本格的な会は初めてといい、今回の講演も「挑戦」の一つだったという。
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