暑い。
ただただ暑い。
なおかつ惜しい。
なんとも惜しい。
こんなことばっかいってますけど、漫才の話です。
しつこいようですけど、この件です。
「伊賀百筆」用の漫才ですが、地の文から漫才に復帰した最初のページを差し替えるのは、かえすがえすも惜しいなあ、と、先日来、悩みまくりどすのえ。
このページのことですけど。
このページにある名張市立図書館初代館長さんの名乗りは、三重県知事さんの名乗り同様、このブログで練りに練って完成させたものっすから、打ち捨てるのはもう惜しくて惜しくて。
ちなみに、名乗りってのは、武士が戦いの場で、やあやあわれこそは、みたいな感じで姓名、身分、家柄なんかを大音声に呼ばわることなんすけど、お経は読んでも乱歩は読まぬッ、なんてのは初代館長さんにぴったりの名乗りですから、闇に葬るのはほんとに惜しいなあ。
それにしても、初代館長さん、お元気でいらっしゃるのであろうか。
おいどんはずーっとこの調子じゃけ、もう二十年ちかくも前のことになりますけど、名張市立図書館の目録をつくりはじめたころから、それこそ漫才やなんか書きなぐって、そらもう奥さん名張の図書館だけは正味あほでっせ、といったぐあいに、地域社会の真実の姿を市民に赤裸々に伝えてきたわけね。
じゃから、初代館長さんも、おいどんの漫才とかをばお読みんさって、定年で退職されたあととはいえ、うーむ、名張市立図書館は無茶苦茶やったんでごわすか、とはじめて思いあたり、深く反省し、おいどんに合わせる顔はありもはん、とお思いになった、ちゅうことやろけど、お目にかかる機会もなくなり、いつの年からか、新春の賀状もいただけなくなって幾星霜、すっかりご無沙汰したままですばい。
ただし、ここでとくに強調しておきたいのは、これは初代館長さんおひとりの責任に帰する話ではなかばい、ということです。
いやもちろん、名張市立図書館が乱歩関連資料の収集において無茶苦茶になっとることの責任は、初代館長さんにないわけではない。
つか、ある。
おおいにある。
あらいでかそんなもん。
ただ、名張市というところは、そういうとこなんだ、ということは重々ご承知おき願いたいと思います。
乱歩関連資料を収集します、とぶちあげることはできても、じゃ、いったいなにをすればいいのか、ということがわからない。
というか、考えようとしない。
そこらの高校の図書委員でもふつうに考えられることを、いっさい考えようとしない。
それが、名張っつーとこなの。
それに、そもそものことをいうと、初代館長さんは、たぶん、乱歩作品なんか、ほとんどお読みになってなかったのではないか、と思う。
つか、名張市立図書館の歴代館長さんは、全員、乱歩作品をろくにお読みになったことのないかたばっかじゃね? とぞ思う。
もっとはっきりいってしまえば、歴代館長さんは全員、本に興味のないかたばかりだったのではないかしら。
てゆーか、みどもが名張市立図書館で嘱託を拝命しておった当時には、こら、こらこら、こらこらこらこら名張市役所の人事担当こら、箸にも棒にもかからんような出来のわりーロートル職員を図書館長として山の上まで飛ばしてきてんじゃねーよばーか、と思わされることが一再ならずありました。
ここで説明を加えときますと、最近すっかり使用されなくなったみたいですけど、というか、先日若い世代相手に使用して通用しなかったことばなんですけど、ロートル、ってのは中国語の老頭児のことで、要するに老人、年寄りのことです。
昔はとうの立ったプロ野球のピッチャーなんかを形容することばとしてふつうにつかわれていたんですけど、ちかごろじゃまったく耳にいたしません。
それから、山の上がどうこう、ってのは、名張市立図書館が平尾山と呼ばれる小高い丘のてっぺんに位置していることから、図書館長の赴任はどうしたって山の上まで飛ばされた、という印象になる、みたいなことです。
しかし、驚くべし。
甲羅だけは経てるけど箸にも棒にもかからない、という古参職員のかたであっても、ひとたび図書館長として着任されるや、どなたも大過なくつつがなく重責をまっとうなさるんですから、田舎のお役所ってのは、やっぱ、ある意味、すごいとこです。
本は読まんわ、図書館のことは知らんわ、それ以前におつむがあれだわ、みたいなおとっつぁんでもいくらでも勤まる、っていうんだったら、もしかしたら、図書館長って、いらなくね? とお思いのみなさん、じつはまったくそのとおり。
いわゆる無料貸本屋としてのシステムはひととおり確立されてますから、館長なんていらない、てゆーか、市の職員がそもそもいらない。
図書館の運営を委託してる業者が無料貸本屋として必要なことはみんなやってくれるんですから、委託業者のスタッフだけでじゅうぶんです。
おそらく、いまの名張市立図書館を支えてくれてるのは、きわめて不安定な雇用環境のなか、時給わずか八百なんぼで忙しく立ち働くそうしたスタッフのみなさんである、と思われます。
じゃ、正職員はなにやってんだ、ということになりますけど、あいも変わらず、手前どもはなにも考えないことにしております、とか、手前どもはできるだけ働かないようにしております、とか、公務員の王道を歩んでいらっしゃるのであろうなあ。
本来であれば、地域に根ざした図書館運営について、いろいろ考えていただかなきゃなんないわけなんだけど、お役人さまの体質として、なにも考えない。
かてて加えて、土地柄的にも、ほんとになんにも考えない。
ですから、しつこくも指摘しておきますけど、なにもわりーのは初代館長さん、あるいは歴代館長さんだけじゃあらしまへんのえ。
みんなわりーの。
みんながみんな、なんにも考えようとしないの。
それが名張ってとこなの。
最悪でっせ奥さん。
みたいなあたりまでは、「伊賀百筆」用漫才の前半で、なんとか読者に訴えることができるのではないか、と思われます。
構成としては、まず、
──いま明かされる震災がれき騒動の真実
というのがあって、その次に、
──いま明かされる伊賀の蔵びらき騒動の真実
というのが来て、そのあと、
──いま明かされるまちなか再生騒動の真実
というのと、
──いま明かされる名張市乱歩大騒動の真実
というのがつづくわけですけど、まちなか再生騒動の真実にはまだまだネタがあって、ざっと列記してみますと──
◎名張地区第一次癒着結託隊と名張地区第二次癒着結託隊の問題
◎母さん、名張市民の三千十万七千七百円、どうしたでせうね? でおなじみのコンサルタントの問題
細かいものは省いても上記のふたつは欠かせませんし、その流れでまちなか再生騒動から名張市乱歩大騒動へ話題が移行して──
◎あほはあほとしかつるまない、という鉄則によって官民双方のあほさんたちが底なしの無能さを存分に発揮してくれた桝田医院第二病棟跡地整備事業の問題
へと流れるように展開してゆくことになるのですが、いくら笑いの要素を抑え気味にしてみても、それでもばかみたいにページ数を食ってしまうことになりましょうなあ。
とはいえ、「伊賀百筆」編集部のご期待にお応えするためには、名張市の乱歩騒動について、ということはつまり桝田医院第二病棟跡地整備事業のてんまつについて、鋭く厳しく血も涙もなく掘りさげる必要があり、となると、2004年9月5日、私が桝田敏明先生のご遺族からお電話をいただき、桝田医院第二病棟の土地と建物を名張市に寄贈したい、とのご意向を承ったその日から、2009年2月28日、桝田医院第二病棟跡地に整備された乱歩生誕地碑広場が完成記念式を迎えたその日まで、すでに漫才でお読みいただいたところに従うならば、
「官民双方のとってもあれな連中がなーんにも考えることなく、外部の声にはいっさい耳を貸そうとせず、ただただ入り乱れてどどどどどどどどどどどどどどどどどと坂道を転がり落ちるようにして大失敗に至ってしまったわけです」
というゆくたてを、克明のうえにも克明に、つぶさに明らかにすることが要求されます。
ただまあ、なんでそんなことになっちゃったの、というと、これも漫才から引きますと、「関係者全員があほやったからにほかなりません」ということに尽きてしまいますし、「土地柄的に無理があるわけです」ということにもなってしまいます。
要するに、論理的で合理的な道筋をたどって余儀なく失敗にいたった、というわけではまったくありませんから、あほさんとあほさんが入り乱れてどどどどどどどどど、というプロセスを検証することにたいした意味はみつけられません。
ですから、なにがあったのか、ということより、なにをしなかったのか、なにをすればよかったのか、ということに主眼を置いて漫才を進めるべきかいな、と思われる次第です。
つまり、桝田敏明先生のご遺族から寄贈のおはなしをいただいて、それをそのまま名張市サイドにとりついだとき、寄贈を受けたあとどんなぐあいに話を進めればいいのか、という提案も、私は抜かりなく添えておったわけですね。
ひとことでいえば、万機公論に決すべし、ということなんですけど、むろん公論にただ丸投げすべきではなく、名張市は名張市で天下に恥じぬ構想を用意し、そのうえで公論を求むべし、ということだったんですけど、しかし実際にはどうだったかというと、万機癒着結託に決すべし、というのが実態で、なおかつ、名張市にはなんの構想もありゃしませんでした。
ですから、そこらあたりのことに重点を置けば、名張市の今後のためにもおおいに役立つ情報となるはずですから、名張市役所のみなさん、どうぞご期待ください。
みたいなことで、名張市乱歩大騒動の真実の件はおしまいになったとしても、じつはあちき的には、ほんとの肝は、
──名張市立図書館終了のお知らせ
じゃけ、という気持ちが強いんじゃけ。
桝田医院第二病棟跡地の整備は、すでに終わってしまった話です。
しかし、名張市立図書館の件は、ずーっと放置されたまま、お役人さまがお得意の主体性放棄で知らん顔をつづけてる状態ですから、終了させるためにはアクションが必要です。
むろん、終了させなければならない、ということではありません。
つか、終了なんかさせてんじゃねーよ、という話ではあるのですが、なんにもしないのであれば、終了にしなきゃしゃーないじゃん。
だからそういう線で漫才を進めたいんですけど、わっちにはただひとつ、とても気になってることがあって、それはなにかっつーと、えーっと、あれは4月のいつであったか、名張ロータリークラブの創立五十周年記念事業の一環として、名張産業振興センターで有栖川有栖さんの講演会が開かれた日の夜、遠来のお客さんとつぼ八名張駅西口店で盛りあがったときのことですけど、そのお客さんのおひとりが、
「こんどの館長さんは、乱歩のことをちゃんとしてくれるひとなんですか」
とつぶやくようにおっしゃったのが、いまも印象深く私の記憶に残っていて、気になりつづけているざんす。
というところで、まだまだ終わりませんけど、以下、つづく。
まだちょっと早いけど、きょうは七夕だから、はやばやと第三のビールでも飲むことにしよっと。
それにしても暑いな。
暑い。
ただただ暑い。
Powered by "Samurai Factory"