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Posted by - 2024.11.25,Mon
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Posted by 中 相作 - 2013.07.05,Fri

書籍

水上幻一郎探偵小説選 論創ミステリ叢書64
 水上幻一郎
 平成25・2013年6月20日初版第一刷 論創社
 A5変型判 カバー 344ページ 本体3600円

関連
喰ふか喰はれるか
 評論・随筆篇 > p296-298
 初出:探偵文学 昭和10・1935年3月号(第1巻第1号)
探偵小説の浄化.──厳正なる立場よりの批判
 評論・随筆篇 > p306-307
 初出:ぷろふいる 昭和10・1935年7月号(第3巻第7号)
乱歩文学の評価
 評論・随筆篇 > p312-314
 初出:幻影城 昭和50・1975年7月増刊号(第1巻第7号)
解題
 横井司
 p328-344


喰ふか喰はれるか

 アナウンサア(勝てば本格、負ければ変格とかや、所は京の五條の橋の上、丑満時でありますが、隈もなき満月に照らされて蒲団きて寝たる姿の東山丗六峰はイト眩し気でございます。時は将に乱世探偵幕府末、本格変格二派の争いは日に激化し、今日この頃は常に血なまぐさい風が吹すさんでおります。この非常時にあたりまして、我放送局が多大の犠牲を払って本格変格派の血闘を中継致しますることはまことに意義深き何物かがあると存じまする次第なのであります。

探偵小説の浄化.──厳正なる立場よりの批判

 所謂変格探偵小説派と称せられる亡者共が最近ボツボツ抬頭し始めてきたことは探偵小説愛好家の一人として私は誠に残念である。
 そもそも探偵小説はすべての小説を通じて最も理智的にして、それは単なる遊戯としてではなく、巧妙な謎が提出され、論理的に解決に導いて行く要素が強調されておらなければならぬ。

乱歩文学の評価

 文学も、芸術の場合でも、作家に対する評価は、時代によって変遷する。生前にいかに高く評価されていても、その死後、いつの間にか忘れ去られてしまう作家が少なくない。そういう中にあって、江戸川乱歩に対する、わが国探偵小説の代表作家としての評価は、永久不変のものであると、私は確信している。

解題

横井司  

 1

 江戸川乱歩が『探偵小説四十年』(一九六一)で、小栗虫太郎登場のことを記した次の箇所は、『黒死館殺人事件』のカノン化をうながした文章としてよく知られている。


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