いやー、もう6月もおしまいか。
っつーことは今年も半分がた終わっちゃった、ということになるわけだけど、例によってぼーっとした半年であったなあ。
それで、乱歩と正史の往復書簡集の件ですけど、刊行されればきわめて有意義な出版、貴重な資料になるというのはまちがいのないところなれど、いったいどこが出すのか。
結論からいって、商業出版社には望めないのではないか、という気がします。
出版不況はいよいよ深刻みたいですし、そうじゃなくたって、この手の本はなかなか企画が通らないはずで、売れ行きが見込めないうえに、書簡の判読が骨だわおまけとしてCD-ROMが必要だわとくれば、規模の大小を問わずふつうの出版社は二の足を踏むのではないか。
だったら、いわゆる関係機関、たとえば世田谷文学館とか、二松学舎大学とか、あるいは立教大学とか、そのあたりはどうでしょう。
立教大学といえば、こんなツイートが。
◎講演会「日本人の蔵書志向と江戸川乱歩」講師:紀田順一郎氏(評論家、神奈川近代文学館前館長)、日時:7/27(土) 13:00~15:00、場所:立教大学14号館6階 pic.twitter.com/yTkNChkqwb
— 米山(ひ) (@syrupno) June 26, 2013
それはそれとして、書簡集を出してくれそうな気配は、たぶん、どの関係機関にも、まったくといっていいほど感じられない印象です。
よしんば、どっかの関係機関が出してくれることになったとしても、そういったとこはやっぱり結構お固いことでしょうから、村上裕徳さんを脚注担当に、という柔軟な路線はかなり困難だと思われます。
たぶん、いちばんいいのは、名張市立図書館が書簡集を出すことでしょう。
まず、乱歩と正史のご遺族にお願いしてOKをいただき、世田谷文学館や二松学舎大学、立教大学などから協力をいただき、それから、乱歩ファン正史ファンにも助力をお願いして個人蔵の書簡なんかを提供していただき、その他もろもろ、いろんな準備を進めて、予算はどうよ、ということになりますけど、たかが本を一冊出すだけ、それも値段をつけて販売するわけですから、いくら財政難財政難といったって、なにしろ名張市は、母さん、名張市民の三千十万七千七百円、どうしたでせうね? とか、名張市民の九億九百万円、どうしたでせうね? とか、税金の無駄づかいでは年季が入ってるとこですから、なんとかなりそうなものではないか、とお思いのかたもおありかもしれませんけど、無理無理、死んでも無理。
名張市立図書館には、というか、名張市には、そんな真似はとてもできません。
できない、というより、それ以前に、理解できないわけです。
これは冗談でもなんでもなくて、ほんとに、ほんとーに、ほんっとーに、なんにも理解できないの。
そーりゃもう、すさまじいものだぜ。
そのあたり、「伊賀百筆」の漫才で思いきり笑いものにするわけなんですけど。
したがって、乱歩と正史の往復書簡集、実現は夢のまた夢、ということになるのではないかと思われます。
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