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平成25・2013年5月29日 毎日新聞社
桔梗ケ丘行進曲:“幻の曲”よみがえる 市立名張小校歌の原形、作者の遺族らが情報 来月披露、初練習 /三重
矢澤秀範
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桔梗ケ丘行進曲:“幻の曲”よみがえる 市立名張小校歌の原形、作者の遺族らが情報 来月披露、初練習 /三重
毎日新聞 2013年05月29日 地方版
名張市立名張小(同市丸之内)が音源を探していた校歌の原形「桔梗ケ丘行進曲」が復活し、6月14日の創立140周年行事で披露する地元の「春日の森合唱団」が28日、同校で初練習した。情報提供の呼び掛けに複数の卒業生が応えた。その中に同曲を作った故・豊永徳之助教諭の三女、藤野恵子さん(85)=同市鍛冶町=も含まれ、「懐かしくて、本当にうれしい」と練習に参加した。【矢澤秀範】
行進曲は大正時代に豊永教諭が作詞。1933(昭和8)年の校歌制定まで校歌の代わりに歌われたが、楽譜や音源が残っていない“幻の行進曲”。同校が140周年と校歌制定80周年を兼ねた「世代を超えて名小の校歌を歌うつどい」での再現を目指していた。
藤野さんは新聞で父の名と歌詞を見て、自然とメロディーを口ずさんだ。1935年の入学で、学校で行進曲を歌った記憶はないが、自宅で父や姉が歌うのを覚えていた。
♪旭に映ゆる尼ケ岳 若草もゆる茶臼山 清き調べの簗瀬川 千古変らぬ鑑なれ
こんな歌詞について「子どもを山や川へ連れて行くのが好きだったので、こうなった」と語り、作曲も父がしたと思っている。
一方、同校には藤野さんの他に市内の90代の女性2人からも情報提供があった。実行委の小島敏孝代表(59)が2人の自宅に出向いて録音。藤野さんの記憶と合致したため、楽譜に書き下ろした。
この日の初練習では50~80代の卒業生ら18人が親しみやすいメロディーを合唱した。自らも別の合唱サークルに入っている藤野さんは「父も喜んでいると思う。お墓に報告します」と笑顔だった。
合唱団は、本番では童話作家の巌谷小波(いわやさざなみ)が作詞した校歌と代表曲「富士の山」、名張生まれの江戸川乱歩が愛した民謡「故郷の空」、童謡「ふるさと」も披露し、6月4日にも練習する。問い合わせは小島代表(090・9493・9657)。
〔伊賀版〕
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