きょうもまた暑くなりました。
暑さしのぎになるかと思ったロス・マクドナルドの『さむけ』は、所期の目的にはあんまり関係のない内容でしたが、読み終えて超びっくり。
超、ってのもいまさらなんだかあれですけど、読みはじめた日、このブログに「シンプルな筋立てでなかなか面白く」などと記したのがいまはただただこっ恥ずかしく、この作品にはじつはとんでもなく複雑なプロットが秘められていて、人物関係の全貌が明らかになってくる終盤などは切迫感すらおぼえながらおおいに堪能いたました。
それにしても、だれが考えついたのかは知りませんけど、カバーの袖に登場人物の一覧を掲げるというのはなんと秀逸なアイデアであることか。
『さむけ』を読み進みつつ、いったいいくたび袖のお世話になったことでしょう。
いやー、そこらのしょうもない叙述トリックがどうたらこうたらという話はどうでもいいとして、もうちょいロスマク読んでみよう、と本棚を探したらウィチャリーとかはあったわけです。
もとよりストーリーなんてまったくおぼえてなくて、ハヤカワ・ミステリ文庫の『ウィチャリー家の女』、奥付を眺むれば発行日は「昭和五十一年四月三十日」、つーことは、えーっと、51+25=76で、2013−1976だから、えーっと、三十七年も前かよ、とか思いつつひもといてみたんですけど、いやもう活字が細かくて超びっくり。
ほんと、超、ってのもいまさらほんとにあれなんですけど。
こうやって写真をごらんいただくだけでは活字の小ささは実感していただけないかもしれませんけど、とにかく読みづらいの。
ちなみに、上の写真で文庫本の右側にかぶさってるのは薄い板状の拡大鏡もどきで、こんなもののお世話にならないとすらすら読み進めないというありさまです。
どーしよーもねーなー。
そんなことはともかく、乱歩の『海外探偵小説作家と作品』を開いてみますと、ロスマクの項はいまだ『ウィチャリー家の女』も『縞模様の霊柩車』も『さむけ』も発表されていない昭和29年にハヤカワ・ミステリ『人の死に行く道』の巻末解説として執筆されたもので、アントニー・バウチャーに依拠して通り一遍の紹介でお茶を濁してるだけという印象が否めません。
とはいえ『さむけ』は、ハードボイルド嫌いだった乱歩をも驚かせ、喜ばせたであろうと思われる次第なのですが、さてどんなもんでしょうか。
乱歩といえば、新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館の旧乱歩邸特別公開、ブログ記事をざっと検索してみました。
▼辻かおるの出前通信:旧江戸川乱歩邸の特別公開(2013年5月17日)
▼どんぺりもってこい:江戸川乱歩邸(2013年5月17日)
▼あんどうのブログ:江戸川乱歩邸を見学してきました(2013年5月18日)
▼葉月のブログ:旧江戸川乱歩邸(2013年5月18日)
いっぽう、当地で乱歩といえば、なんといっても新登場の乱歩像。
▼デイ・トリッパー:長谷寺(2013年5月9日)
「誰も乱歩像には無関心なようだった」とのことです。
▼自然大好き 中年 マッターホルン 男の旅日記:1.『香落渓』(こおちだに):『江戸川乱歩』生誕の地から、一気に『青蓮寺ダム』(しょうれんじダム)を越え、新緑の渓谷へ・・・^~^v:『名張駅』~『屏風岩』(三重県名張市)〔2013.05.18〕(2013年5月18日)
「この地で生誕した『江戸川乱歩』が大歓迎(笑)...!」とのことです。
えーっとまあ、名張のみんなあ、めげずにがんばってくれやあ。
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