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平成25・2013年5月15日 産経新聞社、産経デジタル
竹吉優輔さん(32)江戸川乱歩賞を受賞
山田泰弘
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【きょうの人】
竹吉優輔さん(32)江戸川乱歩賞を受賞
2013.5.15 10:06 (1/2ページ)
江戸川乱歩賞を受賞した竹吉優輔さん(山田泰弘撮影)
■「一報受けた瞬間、大声で何度も叫びました」
「電話で一報を受けた瞬間、大声で何度も叫びました。こんなにうれしいことはない。憧れていた乱歩賞だ、と胸が熱くなりました」。直木賞作家の東野圭吾さん(55)や桐野夏生さん(61)らを輩出した公募ミステリー賞の最高峰、第59回江戸川乱歩賞を射止め、14日に東京都内で行われた会見で喜びを語った。
茨城県取手市に生まれ、今も母親と暮らす。小説家になることが幼い頃からの夢だったという。
「祖母がいろいろな本を読んでくれた。読む本がなくなって、お話を作ってみようとしたことが原体験にある」と振り返る。
二松学舎大を卒業後、東洋大大学院に進み、村上春樹さんをテーマに研究したのも、「物語に対する理解をもっと深めたい」という思いがあったから。図書館の司書として勤務する傍ら、2年に1作のペースで同賞に応募を続け、3度目の挑戦で栄冠を勝ち取った。
竹吉優輔さん(32)江戸川乱歩賞を受賞
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受賞作「ブージャム狩り」は関東の地方都市が舞台。ルイス・キャロルの小説を下敷きにしたかのような連続殺人事件が起き、「ブージャム」と呼ばれる犯人が捕まる。14年後に犯人の死刑が執行されるが、その後新たに「ブージャム」を名乗る犯人による殺人事件が発生し、現在と過去にまたがる事件の真相が明らかになっていく。選考委員を務めた東野さんは会見で「複雑な心理を扱い、難しいことにチャレンジしている」とたたえた。
賞金は国内文学賞の中でも最高水準の1000万円。使い道を尋ねると、「貯金が1002万円になった、ということを喜びたい」とユーモアたっぷりに答えた。(山田泰弘)
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