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Posted by 中 相作 - 2013.04.23,Tue

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 平成25・2013年4月21日 マイナビ

江戸っ子は本当に熱い湯が好きなのか? 東京下町の銭湯に行ってみた
 OFFICE-SANGA
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江戸っ子は本当に熱い湯が好きなのか? 東京下町の銭湯に行ってみた


OFFICE-SANGA  [2013/04/21]




台東区池之端にある「六龍鉱泉」の男湯


江戸っ子って熱いお風呂が好きって本当? 風呂上がりは瓶の牛乳がおきまりって本当? そんな疑問を持ちつつ、東京下町、上野池之端にある銭湯へ。昔懐かしい銭湯には、今も下町らしい暮らしの香りが残っていた。


木のぬくもりが心地いい癒やしの空間


パンダで有名な東京都恩賜上野動物園の裏手に広がる池之端から谷中、根津方面へと広がる一帯。このエリアには、夏目漱石や森鴎外、江戸川乱歩などの文豪たちが愛した、昔ながらの東京の風景が今も残っている。精養軒などの老舗レストラン、古い洋館、古本店、小さなアパート……。少し時間が止まったような、下町のぬくもりがいつもそこにはある。


その一画に、昭和初期に創業した銭湯「六龍鉱泉」がある。地下水を使った湯は黒く、地元では昔から“黒湯”の愛称で親しまれている。




湯は本当に茶褐色!




昭和6年に発行された試験検査書もレトロなムードを漂わす


建物は昭和30年代に建て替えられたそうだが、下駄(げた)箱のある玄関から入り口の戸、脱衣場、トイレへと続く廊下、そしてガラス戸をあけると広がる浴室にまで、何とも懐かしさがこみあげてくる風情が漂う。マッサージ機や、髪を乾かすお釜の形をしたドライヤー、そして、あの瓶牛乳もしっかりとあるのだ!




風呂あがりはマッサージ機でゆったり




女風呂のドライヤー


「一時期は、飲み物は全部パックにしていたんですけど、牛乳屋さんに薦められて、瓶に戻したんです。そしたらお客さんに好評で。みなさん“やっぱり瓶はおいしい!”っておっしゃるんですよ」と女将(おかみ)さん。


常連さんと外国からの新顔さんが一緒に湯へ


銭湯の営業開始時間は午後3時半だが、のれんを出す前から玄関の外には地元の人たちが集まって、おしゃべりをしたり、玄関に飾ってある植木鉢の花を愛(め)でたりしている。一見すると、なかなか大盛況に思われるが、「昔に比べたら随分とお客さんは減りました」と女将さん。


「だけど、毎日来てくれる常連さんたちもいてね。家にお風呂があっても来てくれるんですよ。同じ時間に同じ場所で身体を洗って、同じ顔触れでおしゃべりをして。それが楽しい時間になっているんです。たまに常連さんが来ないと、何かあったのかとみんな心配したりね」。そう。昔から銭湯は下町のコミュニケーションの場だったのだ。




脱衣場のカゴも風情がある




立派なガラス戸にかかる時計もレトロ


しかし一方で、新顔さんが訪れることもあるそうだ。「外国の方が日本の方と一緒にいらっしゃることもありますね。ガイドブック片手にひとりでいらっしゃる方もいますよ」。


「上野って場所柄、外国人観光客も多いし、近所に住んでいる外国の方もいらっしゃいますからね。日本の風呂の使い方がよく分からない時は、地元の人たちが身振り手振りで教えてくれたりしているんですよ。古い銭湯でね、小さな国際交流(笑)」。


入湯料が400円という安さも、みんなが足繁(しげ)く通う理由のひとつだろう。また、泉質は重炭酸ソーダとメタケイ酸。古い角質を落とし、肌をやわらかくしてくれる効能が期待される。


下町の銭湯は本当に熱いのか!?


さて、いよいよ核心である「下町の人は本当に熱い風呂が好きなのか?」に迫る。六龍鉱泉の湯の温度を聞いてみればなんと45~46度! 家庭ではせいぜい42度程度だから、やはり相当熱い。


もっとも、六龍鉱泉の湯は特別に熱いのだそうで、昔から「黒湯(六龍鉱泉)は熱い」と有名だったのだとか。とは言え、その熱い湯を好んで通う人たちがいるのだから、やっぱり下町の人たちの中には「熱い湯が好きな人」は確実にいることになる。


実際に入ってみたところ、本当に熱い。湯につかったところがたちどころに赤くなる。そして熱い湯に慣れていない初心者のライターとしては、決して長湯(ながゆ)はできない。まさに“江戸っ子は熱湯(あつゆ)でカラスの行水”とはこのことだと実感。他のお客さんを見ていても、長湯をしている人なんてほとんどいない。広い洗い場でたっぷりと時間をかけて丁寧に身体を洗い、そして湯にはさっと入って出るのだ。




女湯。水道の数が多いこと!


湯船には一応、湯を薄めてもいいように水の蛇口はあるのだが、出す人はまずいないと言う。なぜならば多くの常連さんがこの熱湯を愛しているからだ。「タイミングによってはちょっと湯が冷めている時もあるんですけど、そうすると“今日はぬるいなあ”なんておっしゃっている声が聞こえてくるんですよ」と女将さん。


ところでこのお湯、カラスの行水した割には、不思議と湯あがり後も、いつまでも身体の芯からぽっぽぽっぽとして温かさが冷めない。それでいて汗ばむ季節などは、身体がさっぱりとして心地いいのだ。


古い建物なのに清潔感もあり、空間全体が訪れた人をリラックスさせてくれる感じがする。そしてなんといっても、熱湯の後に飲む牛乳がうまい! これからの季節、下町散策した後や上野動物園で遊んだ後にふらっと寄って汗を流すのもいいかもしれない。




やっぱり風呂あがりは牛乳




「六龍鉱泉」は上野動物園のすぐ近くなのでレジャー帰りにもうってつけ


●information

六龍鉱泉

東京都台東区池之端3-4-20

15:30~23:00(月曜日は休み)

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