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Posted by 中 相作 - 2013.04.18,Thu

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週刊文春WEB
 平成25・2013年4月14日 文藝春秋

大人気シリーズ、初の長編
 「週刊文春」編集部
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大人気シリーズ、初の長編


『ビブリア古書堂の事件手帖4~栞子さんと二つの顔~』 (三上延 著)


2013.04.14 07:00




珍しい古書に関する特別な相談――ビブリア古書堂の店主・栞子に謎めいた依頼が寄せられた。大輔と共に向かった依頼人の家には、精巧な金庫と稀代の推理作家・江戸川乱歩の膨大なコレクションがあった。そこに秘められた謎とは? 栞子の母、智恵子が初登場し、母子の謎解きバトルが繰り広げられる。 メディアワークス文庫 599円(税込)


 累計390万部を突破した大人気古書ミステリー『ビブリア古書堂の事件手帖』の待望の新刊が上梓された。連作短編集だった第3巻までとは異なり、日本における推理小説の祖・江戸川乱歩を題材にした、初めての長編だ。


「元々は短編の予定だったのですが、収まりきれずに乱歩でまるまる1冊になってしまいました。またこれまでずっと短編を書いてきて、読者にも僕にも慣れがでてくるかなと思い、そろそろ長編を書きたいとも考えていました」


 このシリーズは、鎌倉にある「ビブリア古書堂」の若き美人店主・篠川栞子が、過去のトラウマにより本が読めないアルバイトの五浦大輔と共に、古書にまつわる謎を解いていくミステリーだ。


 第4巻となる今回は、一話ごとに異なる作家の小説を扱っていたこれまでとは打って変わって、すべて乱歩の小説から謎が生み出されている。読む側にとっては新鮮だが、リスクもあったという。


「今までは、読者の好みではない小説を扱った一話があっても、ではこちらの一話はいかがでしょう、と選んでいただくことができました。でも今回は1人の作家しか出てこないので、読者の好みに合わなかったらどうしよう、という不安がありました」


 熱心な乱歩マニアからどういう感想が寄せられるかも心配だったという。だが、読者の反応は上々のようだ。




みかみえん/1971年、神奈川県横浜市生まれ。作家。武蔵大学人文学部卒業。中古レコード店や古書店でのアルバイトを経て、『ダーク・バイオレッツ』で第8回電撃小説大賞3次選考を通過し、2002年デビュー。他に『シャドウテイカー』『偽りのドラグーン』など。


「僕より乱歩に詳しい方はたくさんいらっしゃいますが、間違ってはいない、というくらいには認めて頂けたのかな、とほっとしています(笑)。長編によってパターンが変わったことも面白いと思ってもらえたのかもしれません。また今回、栞子の母・智恵子が突然登場したことによって、読者の方に主人公の大輔と同じように驚いていただけたのでは、と思います」


 初の長編を書くにあたって集めた資料は、これまでの中でも特に多かった。


「同じ作品でも版元が複数あり、膨大な数の資料があるので苦労しました。でも調べることは楽しくて。すでに書き終えているお話でも、まだ資料を買ってしまうことがあります。家にたまってしまうので本当は図書館ですませたいのですが、つい(笑)」


 さて、次作のご予定は?


「智恵子の登場で物語が急展開しましたが、アクセルを踏み続けると疲れてしまう。緩急をつけたいので、ちょっと視点を変えた作品にしたいと思っています」


文「週刊文春」編集部

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