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平成25・2013年4月13日 スポーツニッポン新聞社
神保町にハルキノミクス 「春樹堂」も登場「勢い異常」
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村上春樹氏の新作発売
期間限定で「村上春樹堂」に模様替えした三省堂書店神保町本店
Photo By スポニチ
世界最大の書店街、東京・神保町にも村上春樹氏の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を求め「普段の150%の人出」(大手書店関係者)と大勢の客が訪れた。インターネットでの書籍販売が急速に広がる中、神保町商店街は「この街が再びにぎわうきっかけになれば」と“ハルキノミクス”の効果に期待を寄せた。
1881年(明14)開店の老舗「三省堂書店」神田神保町本店は、14日までの3日間、屋号を「村上春樹堂」と変更。屋号を変えたのは133年の歴史で初めて。正面玄関には屋号をしるした幅約6メートルの巨大看板を設置。店内には新作200冊を使い高さ約2メートルの「ハルキタワー」を積み上げ、熱狂ムードで発売日を迎えた。
同店の松下恒夫企画営業課長(47)によると、用意した2000冊のうち、1日で半分を超える1000冊以上が売れた。「この勢いは異常」と想像以上の“ハルキ特需”に驚いた様子。「お客さんの数自体もいつもの5割増しくらい入っている。ハルキノミクス?そうですね。十分実感できてます」と顔をほころばせた。
松下さんは「これだけの人を動かす村上さんの力は無二のもの」と話し、「クリックひとつで本が自宅に届く世の中で、神保町が地盤沈下している部分もある。この街の魅力を広めるきっかけになれば」と期待を込める。
江戸川乱歩や井伏鱒二ら多くの文豪が足しげく通った天ぷら店「はちまき」の店主は「きょうは客が多かった。本屋の袋を持った人が多かったねえ」と“ハルキ効果”を実感。「このまま客が増え続けたら、新作を持ってきた人にサービスなんか考えてもいいかもね」と笑った。
[ 2013年4月13日 06:00 ]
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