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Posted by 中 相作 - 2013.03.27,Wed

テレビ

ビブリア古書堂の事件手帖 第11話
 平成25・2013年3月25日 午後9時-9時54分 フジテレビ系列
 原作:三上延
 制作局:フジテレビ
 全11回

乱歩が残した、間違った暗号文!?
 脚本:相沢友子
 演出:松山博昭
 出演:剛力彩芽、AKIRA、須永慶、高橋克実、横山めぐみ、名高達男、松田美由紀、高樹澪





乱歩が残した、間違った暗号文!?


 母・智恵子(安田成美)に金庫の鍵を奪われたと確信する篠川栞子(剛力彩芽)は、智恵子よりも早く暗号を解いて暗証文字を入手することが、自分たちに残された道だと話す。

 その後、栞子と五浦大輔(AKIRA)が「ビブリア古書堂」に戻ると、智恵子がカウンターに座り本を読んでいた。驚く栞子に智恵子は、金庫の中身は何だと思うかと聞く。栞子が、江戸川乱歩の未発表の草稿か何かだろうと答えると、智恵子は「押絵と旅する男」の第一稿だと言った。それは乱歩の代表作のひとつだが、第一稿は乱歩自身の手で破棄されたといわれている。それが鹿山明(須永慶)の金庫にあるとは信じられないが、智恵子は鹿山の父親と乱歩の接点を明かした。その意外な事実に志田肇(高橋克実)も驚きを隠せない。

 そんな折、栞子のもとへ鹿山直美(横山めぐみ)から智恵子が現れたと連絡が入った。鹿山邸の書斎に駆けつけると、智恵子は金庫の鍵を手にしていた。実は、智恵子が栞子の前に現れたとき、智恵子はまだ鍵を見つけていなかった。しかし、早合点した栞子がしゃべり過ぎ智恵子にヒントを与えてしまったのだ。鍵は、「少年探偵団」シリーズのなかでも特に希少な4冊とともに書棚に隠されていた。直美は鍵を返すように言うが、智恵子は直美の兄の義彦(名高達郎)から全面的に任されているから、と言って渡さない。智恵子は、鍵と一緒に封筒に入っていた二銭銅貨を栞子に見せた。それは乱歩のデビュー作「二銭銅貨」に関連するものと思われたが、ヒントを見つけることはできなかった。しかしその後、栞子は来城邸書斎のガラスケースのなかに二銭銅貨を見つける。銅貨はふたつに割れ、なかから「南無阿佛」などと漢字が羅列した紙が出てきた。





 そこで栞子は智恵子に交渉を持ちかける。義彦からの指示で、来城邦代(松田美由紀)と慶子(高樹澪)は翌朝に屋敷を出なければならない、それまでの間、鍵を貸してくれ、と。金庫の中身は鹿山家のものだが、自分たちは鹿山明(須永慶)が慶子に何を残したのか知りたいのだ、という栞子に智恵子は鍵を渡す。

 その後、志田も加わり漢字の羅列が「ひしょうえじま」という暗証文字であることがわかった。意味は不明だが、「1915」のダイヤル番号、鍵、その文字を入力すると金庫が開いた。なかには、「押絵と旅する女 江戸川乱歩」と表紙に書かれた原稿用紙の束があった。邦代からそれを手渡され胸に抱きしめる慶子。邦代は、栞子らに慶子をひとりにしてやってほしい、と頼む。

 栞子、大輔とともに書庫にやってきた志田は、「江川蘭子」があることに気づく。先日、それを落下させそうになった、と大輔が話したとき、栞子に閃きが走った。急いでリビングに戻ると、そこには慶子がひとり残されていた。栞子は来城邸を飛び出し走ると、前方を歩く邦代に「慶子さん!」と呼びかけた。

 場所を移し栞子と向き合った邦代は、本当は自分が慶子で、慶子が妹の邦代だと明かした。病を患う人間の頼み事なら、鹿山家も断りにくいだろうと思い、画策したのだという。

 栞子は、先日の「江川蘭子」の扱いから「本に疎い」と話していた邦代のウソを見破ったのだ。

 栞子は「押絵と旅する女」は、若い頃に推理作家を目指した鹿山が乱歩を真似て書いたものだろうと言った。さらに、原稿の一枚目の裏には、鹿山のペンネームだと思われる「作 江島日生(えじまひしょう)」という記述があった。自分のために書かれた小説を手にいれた邦代は、「押絵と旅する男」の主人公のように自分も旅をしながら読むつもりだと言った。





 その後、智恵子が栞子の前に現れた。志田から話を聞いたという智恵子は、鹿山が死期を悟るずっと以前から屋敷にあった金庫に、自作小説だけを入れていたとは考えられないと言う。あの小説は、「押絵と旅する男」の第一稿の断片で、乱歩がトイレに捨てるなどして欠落した部分を鹿山が補う形で書き上げたのではないか、本物と偽物が融合しているからこそ、乱歩マニアである邦代にとって最高のプレゼントなのではないか、と栞子に迫った。一方で、邦代の足取りを追うことは難しくはないから、小説を読む猶予を与えてやる、とも言った。

 栞子に向き合った智恵子は、この10年間自分は本を探していたのだ、と明かした。人生のすべてをかけてもいいくらい欲しい古書なのだという。そのために子供たちを残して旅に出たが、後悔はしていない、なぜなら、栞子も文也(ジェシー)も自分の子供だからだ、と。その本がどんな本か知りたいのなら、自分と一緒に来ればいい、と言う智恵子は、「押絵」の原稿を手に入れたら日本を出るつもりだと話す。栞子は、智恵子の生き方が今は少しだけ理解できる気がする、と答えた。

 数日後、「ビブリア古書堂」に大輔がやってくる。顔色が悪いのを心配した栞子が尋ねると、前夜に「押絵と旅する男」を読んだが5ページで挫折してしまった、と明かした。その努力が嬉しい栞子は、いつものように大輔に「押絵と旅する男」のあらすじを話してやり…。


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