美輪明宏さんの記事が掲載された「週刊新潮」はきのう発売でしたが、とかいったって、谷内六郎さんの表紙でおなじみの週刊新潮はあした発売です、というテレビCMをご記憶の向きも少なくなったことでしょうけど、三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖4~栞子さんと二つの顔~』はきょう発売です。
ってんで、さっそく購入してまいりました。
これでやんす。
▼メディアワークス文庫:ビブリア古書堂の事件手帖4
初版発行八十万部、ってんですからえらいものです。
とりあえずプロローグに眼を通し、ふと巻末に眼をやれば、参考文献一覧に『子不語の夢』と名張市立図書館の目録三冊、ありがたいことにちゃんとお書きいただいてありました。
ありがたやありがたや。
名張市立図書館の名が八十万人の眼にふれる、ってんですから、胸が熱くなるのを禁じえません。
三上延さんにお礼を申しあげておきたいと思います。
つづきましては平井通の話題、というか前宣伝ですが、鮎川哲也によれば中島河太郎先生の「平井蒼太のこと」は「推理小説のサイドから蒼太を取り上げ、その正体に迫った唯一のものとされている」とのことで、するってえと私がいま書いてる原稿はそれにつづくもの、ということになるな、とかうっかり思ったりしてしまったんですけど、そんなことはないそんなことはない、私は推理小説のサイドに立ってるわけではまったくありません。
そんなこといってたらあなた、推理小説サイドからまちがいなく張っ倒されてしまいます。
早い話、いまトイレ兼書庫で確認してきたんですけど、私がもってる鮎川哲也の文庫本はわずか七冊、しかも『黒いトランク』と『戌神はなにを見たか』は出版社の異なるものが二冊ずつありましたから、実質的にはわずか五冊、こんな人間が推理小説サイドとかいってたら推理小説サイドから絞め殺されてしまうこと請け合いです。
しかし、乱歩サイドだ、ということは、いってもいいのではないかしら。
なにしろ私なんて、おこがましくも天下の Edogawa researcher なんですから、乱歩サイドであることはまちがいないと思います。
ですから、平井通という人物にたいして、いままでだれも試みたことのない乱歩サイドからのアプローチを進めることが可能です。
とはいうものの、『探偵小説四十年』に平井通が出てくるのはわずか四か所ですから、これはほとんどつかいものになりません。
つかいものになるのはむしろ『貼雑年譜』で、これによって破産のあと名古屋、朝鮮、東京、大阪を転々とした平井家の住まいを跡づけることができますし、『ビブリア古書堂の事件手帖4~栞子さんと二つの顔~』でもおなじみ、『子不語の夢』にもわずかひとつながら貴重な情報が。
しっかし、それ以外の情報がなあ。
なんかもう、無茶苦茶だもんなあ。
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