気の早いかたがいらっしゃるもので、来年は乱歩生誕百二十年だから、名張市で大規模な乱歩イベントを開催してもらいたいものだ、とメールでご期待をお寄せいただきました。
無理です。
とても無理です。
いやいや、そんな決めつけてしまってはいけませんけど、ま、望み薄です、と申しあげておきましょう。
いっぽう、岡山県倉敷市の横溝正史イベントは、2012年が正史生誕百十年だったとのことで、去年の11月から今年1月にかけて、あれこれのイベントが盛りあがりをみせたみたいです。
▼倉敷観光WEB:平成24年11月24日(土)“1000人の金田一耕助”
▼倉敷観光WEB:平成24年11月24日(土)“紙芝居「楽しかりし桜の日々」”
▼倉敷観光WEB:平成24年11月24日(土)~25年1月27日(日)“横溝正史旧蔵資料展”
▼倉敷観光WEB:平成25年1月26日(土)~27日(日)“「巡・金田一耕助の小径」大学”
このイベントは、名張市の乱歩関連イベントとは異なり、正史ファンの琴線にふれるものになっているようです。
というのも、正史ファンの協力を仰ぎ、知恵を借り、といったことを主催者サイドが心がけているからで、行政側が正史のことや正史作品のことをあまり知らなくても、結果としてイベントはファンの琴線にふれているわけです。
しかし、名張市はちがいます。
これも土地柄、というしかないんでしょうけど、とにかく、ひとの意見に耳を傾ける、ということがまるでありません。
官であれ、民であれ、乱歩のことをろくに知らず、乱歩作品なんかまともに読んだことがない、などという不届きな連中が、ただのうすっぺらい思いつきで、恥ずかしくなるほどのご町内感覚にもとづいて、ひとりよがりに小つまらぬ自己顕示欲を満足させてるだけ、というのがここいらの乱歩関連事業の実態です。
なんでなんだろうなあ。
やっぱ、土地柄でんねん、というしかないんだろうな。
しかし、土地柄にも負けず、最後のとりでだけは死守したいと思いますし、そのために名張市長のお墨つきも頂戴している、ということはくり返しお伝えしてきたとおりです。
それでまあ、きのうも引用したこれ。
慶応大学教授(図書館情報学)の話 コスト削減の名の下に指定管理者制度を導入してから10年ほどたつが、依然として「貸出冊数」などの数字が評価される傾向にある。しかし重要なのは、地域の歴史や各種課題の資料を集め、次代に残すという図書館本来の目的が果たされているかという点。民間委託がいいか、自治体直営がいいかという議論の前に、問われるべきは、首長が図書館のあり方を中長期的に考えているかどうかだ。
コストカットのために指定管理者制度を導入したら、図書館本来の目的がないがしろにされてしまうのではないか、ということなんですけど、少なくとも名張市立図書館の乱歩関連資料収集についていえば、開館当初から一貫してずーっと無茶苦茶でしたから、いまさらないがしろもくそもないわけです。
しかし、ここまでないがしろで、しかもかんじんの図書館が主体性を完全に放棄してなんにも考えようとしないとなると、首長はどう考えているのか、首長判断はいったいどうよ、という問題にまで発展してしまいかねません。
逆にいえば、名張市立図書館の乱歩関連資料収集がここまで無茶苦茶なのは、あるいは、長きにわたって収集した乱歩関連資料をここまで秘匿隠蔽してしまってるのは、もはや首長責任を問われてしかるべきことなんじゃね? ということになってしまうんじゃね?
ただまあ、ラッキーなことに、そんなことを問う名張市民なんてひとりもいないはずですから、名張市立図書館は大船に乗ったつもりでいていいと思います。
しかし、全国の乱歩ファンのみなさんは、そのかぎりではないからなあ。
げんに、名張市の乱歩生誕百二十年記念イベントに期待してくださってるかたもあるんだからなあ。
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