目的はどうよ目的は、という話になると、じつは私も、考えてみたことがありませんでした。
むろん、名張市立図書館による乱歩関連資料の収集における目的のことなんですけど、目録つくってるときにはそんなこと、まったく考えてもみませんでした。
なにしろ、初代館長さんの時代にしこたま収集された資料がですね、いってみれば所与の事実として、眼前に存在していたわけです。
購入したままリスト化もされず、ただただそこに存在していたわけです。
それにしても、収集資料のリストもつくらない、なんてのは、はっきりいって異常なことです。
それを異常と判断できないんだから、田舎のお役所ってのはほんと、腐ってるとしかいいようがありません。
かりそめにも図書館が、体系性ってやつを徹底的に無視してどうするよ、と思わざるをえないんですけど、とにもかくにも、それが厳然たる事実なんだからしかたありません。
ですからまあ、体系性のたの字も知らない名張市立図書館が収集した乱歩関連資料を前にして、それをしっかり体系化しなくっちゃな、ということで頭も手もいっぱいになってしまって、収集の目的なんて考える余裕はなかったわけなんですけど、やっぱ、目的がなくちゃまずいよね。
なんどもいうけど、市民生活にはいっさいかかわりがなく、市民からはまったく必要とされていないのが乱歩関連資料なわけで、そんなのをあえて集めようというんだから、てゆーか、すでにしこたま集めてしまったわけなんだけど、だったらなおさら、集めた目的をはっきり説明できないことには、かなりまずいと思う。
かなりまずい、といえば、せっかく集めた資料をただただ死蔵してるだけ、ってのもかなりまずいことなんだけど、名張市立図書館には、なにをどうしていいかさっぱりわかんない、というのが現状であって、ほんとにもうなにも考えられないわけです。
だから、現状を素直に認めて、乱歩関連資料は展示品や陳列物として収集したものです、資料になにが書いてあるのかはまるでわかりません、乱歩のことも乱歩作品のことも、手前どもはなにも知りません、とほんとのところをひろく表明したうえで、乱歩コーナーを展示室としてきれいに整理整頓し、展示品陳列物はじゅうぶん集まりましたので、これ以上の収集はいたしません、ということにしてしまえば楽でいいんじゃね? と思うんだけど、つか、そんなふうに提案もしてんだけど、ほんとにどうよ。
そんなことはともかく、問題は、すでに集めてしまった資料ざんす。
名張市立図書館にまかせといたら、いつまでたっても死蔵したまま、ってことになるのは眼にみえてるわけです。
しかし、すでに所有しているものを活かし、新たな価値を生み出してゆく、ということこそ、この衰退と縮小の時代にまじめに考えなくちゃいけないことなんだけど、このあたりの話題になると、名張市役所のみなさんには理解していただけないかもしれない。
ま、いいとしよう。
とにかく、購入したり寄贈されたりした資料に潜在している価値を、ちゃんと引き出してひろく発信する作業、なんてのは、いうまでもないことなれど、名張市立図書館にはとても無理みたいなのね。
だから、それじゃあまりにもまずかろう、ってんで、名張市長からお墨つきを頂戴し、としつこく書きますけど、営々孜々としてデータベースづくりにいそしんでおるわけなんですが、これもまた、要するに体系化なわけです。
目的はどうよ目的は、目的ないとまずいじゃん、ってんで、名張市立図書館が乱歩関連資料を収集する、てゆーか、もはや過去形でいいと思いますけど、てゆーか、むろん結論は市長判断を俟つしかありませんけど、名張市立図書館が乱歩関連資料を収集した目的はなにかというと、乱歩の文業の全容を明らかにし、乱歩作品が時代にどう受容されたかを記録する、みたいなことでいいのではないか、と、ま、いってみりゃいいだけあとづけなわけですけど、とにかくそんな感じで目的を明確にしてみた場合、個々の作品をデータベース化することが必要になるわけであり、そのためにはすべての乱歩作品を体系化する必要がある、みたいなことは難しくってわかんねーか。
とにかくまあ、、モーツァルトでいえばケッヘル番号にあたる整理番号、少し前には大正12年のものをごらんいただきましたけど、またごらんいただくことにして、まず大正12年。
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つづいて、大正13年。
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おつぎは大正14年ですが、まだ完全なものではなく、「人間椅子」その他、漏れてる作品もあります。
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こんな調子でやってるわけですけど、ま、気が遠くなるような作業です。
しかし、名張市立図書館も、あるいは、名張市も、やるべきことはちゃんとやんないことには、いつまでもばかだばかだと世間さまの笑いものになってるわけにもいかねーだろーがよーこのすっとこどっこい。
つか、ばーか。
むろん、作家デビュー以前の作品も体系化の対象ではあり、いまんとこもっとも古いのは明治45年の作品です。
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ただ、このひとつめとふたつめ、たぶん明治45年だろうな、といったような感じで、なんだかあやふやなわけなんですけど。
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