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平成25・2013年1月19日 毎日新聞デジタル
生田斗真:役作りで引きこもりに近い生活を体験 映画「脳男」完成披露試写
りんたいこ
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生田斗真 : 役作りで引きこもりに近い生活を体験 映画「脳男」完成披露試写
2013年01月19日
映画「脳男」の完成披露試写会に登場した(左から)瀧本智行監督、二階堂ふみさん、松雪泰子さん
00年に出版され、江戸川乱歩賞を受賞した首藤瓜於(しゅどう・うりお)さんの小説を、生田斗真さん主演で映画化した「脳男」が2月9日に公開される。それに先立ち17日、東京都内で完成披露試写会が開かれ、上映前に行われた舞台あいさつでは、主演の生田さんら主要キャストと瀧本智行監督が登場。生田さんが「この映画、気合が入ってます。とんでもない映画が出来上がったと自信を持っています」とアピールすると、満席の客席の大部分を占める女性ファンから「カッコいい!」というため息交じりの黄色い歓声が上がった。
映画「脳男」は、生まれながらに並外れた知能と肉体を持ち、正義のためには殺人をもいとわない美しき殺人者“脳男”が主人公。都内で連続爆破事件が発生。警察は犯人・緑川のアジトに踏み込むが、そこで捕らえられたのが、鈴木一郎を名乗る“脳男”だった。脳男は、犯行の異常性から精神鑑定を受けることになるが、担当の精神科医・鷲谷真梨子は、一切の感情を出さない彼に興味を持ち、彼の過去を調べ始める……というストーリー。この日の舞台あいさつには、“脳男”鈴木一郎役の生田さん、鷲谷役の松雪泰子さん、事件を追う刑事・茶屋役の江口洋介さん、さらに爆弾魔・緑川紀子役の二階堂ふみさん、その仲間・水沢ゆりあ役の太田莉菜さんが瀧本監督とともに登場した。
「この映画に命を懸け、すべてを懸けてきました」と語った生田さんは、昨年6月のクランクイン直前までの半年間、役作りのために数種類の格闘技や、食事制限を含めた体力作りに没頭したことを明かした。しかしそれだけでは「演じ切れる自信がなかった」ため、撮影直前には、自分の目から感情を消すために、自宅のソファで数時間動かないで過ごすなど、引きこもりに近い生活を続けたことを告白。すると「気持ち的に落ち込んでつらかった」ものの、「(演技の)説得力は出たのではないかなと思っています」と今回の役作りを、「やれることはすべてやった」と悔いなしという表情で振り返った。
そんな脳男と対峙(たいじ)する場面が多い松雪さんは、生田さんの演技を「質問を投げかけても、すべてはね返される感覚で、お芝居している中でも、逆に焦りを感じてしまうほどの圧倒的なエネルギーでした」と絶賛。また、「台本を読んだときからどうしても(茶屋役を)やってみたいと思った」という江口さんは、完成した作品を「なかなか地上波(のテレビ)では見られない、映画ならではの迫力の世界に浸れると思います」とアピール。また、太田さんも「かなり気合の入った、すごいパワーを持っている映画」と評し、「映画を見たそのパワーで、明日から周りの人を圧倒してください」と観客にメッセージを送った。
そんな中、「本当にすさまじいまでの切れっぷり」「ちょっとオーバーかもしれないですけど、映画史に残るヒール(悪役)を演じていた」と、瀧本監督からその演技を絶賛された二階堂さんは、司会者から役柄の緑川について聞かれると、「全然関係ないんですけど」と前置きしたあと、「今日の髪形、江口さんが演じる茶屋さんの髪形を意識したんです」と、いささかすっとんきょうな答え。カールがきつくかかったヘアスタイルをしていた劇中の江口さんの髪形を意識したようで、会場があっけにとられた雰囲気になると、すかさず生田さんが「ふみちゃんはこういう子です」とフォローし、一切の感情を持たない脳男とは真逆の好青年ぶりを発揮していた。
瀧本監督は、作品を手放すのが惜しいのか、「もっと予算をいただければ……」と未練を残しているそぶりを見せたが、「プロの仕事をしてくれた」とスタッフに謝意を述べ、生田さんについては「本当に表情のない役なので、かすかな目の色や少しの動きを丁寧に繊細にワンカット、ワンカット表現した」、松雪さんは「後半、身も心もぼろぼろになっていくあたりが圧巻」、江口さんについては「カッコいい方ということは分かっていましたが、ここまでカッコいい人なんだと実感するような美しい最後だった」と個別に見どころを解説しながら、キャストの熱演をたたえた。
舞台あいさつの後半では、名前を入力すると脳内イメージが表示される「脳内メーカー」がスクリーンに映し出され、今作のキャラクターとキャストのうち誰の脳かを診断するという企画が行われ、自分の脳内にたくさんの「遊」の文字と、少しの「金」「働」の文字が並んでいるのを見た生田さんは「幸せな生活ですね。遊ぶためにお金が必要でそのために働く。だいたい合ってます」と感想を述べ、客席からは笑いが起こっていた。映画「脳男」は2月9日から全国で公開予定。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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