つづきのつづきったって、とっくの昔に結論は出ているわけなんですけど、これがお役所のつらいところよ、というべきか、世間ではごくふつうに、できごころ、とか、気の迷い、とかで済む話が、お役所ではそうも行かないみたいですから大変です。
ほんのできごころで、乱歩関連資料の収集をはじめてしまいました。
一時の気の迷いで、乱歩関連資料の収集をはじめてしまいました。
でも、よく考えてみたら、そんなことはするべきではありませんでした。
いまは反省してます。
そんな感じで悔い改めれば、いくらでも白紙に戻せるはずなんですけど、お役所ってところでは、過ちてはすなわち改むるにはばかることなかれ、というわけには行かないみたいで、行政の無謬性、ってやつですか、それを死守しなければなりませんから、手前どもがまちがっておりやした、どーもあいすみません、とは口が裂けてもいえません。
過ちて改めざるこれを過ちという、ってことばもあるんですけど、お役所ってとこでは、みずからの非や責任を認めることは、公務員としての死を意味する、みたいな感じなのかしら。
とにかく、なんだか、困っちゃう。
ですから、名張市立図書館の見識と能力の範囲内で、なんとか乱歩関連資料の収集をつづけられないものか、とあれこれ考えてはきたのですが、これはすこぶるつきの難問です。
ただまあ、それを考えるべきなのは名張市立図書館であって、私は私なりに、目録つくって乱歩の自己収集を継承するお手本を示したり、それが無理だとわかったら、名張市立図書館なりの収集方針を考えてみようね、とアドバイスしたりもしたのですが、せんかたなしや、涙のごときものあふれいで、あーちょいなちょいな、とかそんなことはどうだっていいんですが、とにかく、自分のことは自分で考えようね、なわけです。
それはそれでいいとしても、いっぽうには、じゃあ、しこたま集めちゃった資料はどうするよ、という問題が残ってます。
なんの考えもなく、ただただ思いつきで集めはじめて、そこそこ集めてしまった乱歩関連資料、このまま死蔵しっぱなし、というのは、いくらなんでもまずいでがんしょ。
しかし、名張市立図書館には、それを考えることもできません。
どうするよまったく。
そもそも、なんで乱歩関連資料を集めてんだか、その目的がわからない。
というより、最初っから、目的なんてないわけです。
ただの思いつきだもん。
ほんのできごごろだもん。
一時の気の迷いだもん。
市民生活にはまったく関係がなく、市民からいっさい必要とされておらず、集めただけでただ置いとくだけの資料なんて、いちいち税金で買いこんでんじゃねーよばーか、と市民からツッコミを入れられたら、返すことばがありゃしませんやろが。
しかし、買ってしまったものはしかたがない。
収集したことには意味がある、収集資料はちゃんと役に立ってる、という線にもってかないと、税金をどぶに捨ててしまったことになる。
だから、乱歩関連資料の収集にはちゃんと目的がありました、という線を、むろんあとづけということにはなるんだけど、きっちり打ち出しとかないとだめである。
だから、だからこそ、かくいう私は、先のことはどうなるかわかりませんけど、とりあえずこれまでの乱歩関連資料の収集は無意味なものではなかった、という事実をでっちあげるために、いやいや、でっちあげるとか、そういうんじゃなくて、ほんとにだいじで必要なことなんですけど、過去の収集と調査にもとづいて、乱歩作品個々のデータベースをつくるべきであると、このブログでも逐一報告いたしましたが、名張市公式サイト「市長への手紙」を利用して、名張市長にじかにお願いを申しあげ、ありがたくもゴーサインを頂戴して、営々孜々として作業を進めているわけです。
乱歩作品個々のデータベースってのは、いったいどんなものかというと、手近なところをごらんいただくことにして、ま、こんなんです。
初出だけで埋もれていた作品が六十三年のときをへだててよみがえった、というわけですから、初出と初刊をおさえるだけでよろしく、こういった作品のデータベースなら、ごらんのとおり、ごく簡単につくれます。
つづく。
Powered by "Samurai Factory"