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平成25・2013年1月7日 読売新聞社
尾鷲が舞台「千年の愉楽」 津で先行上映
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俳優のトークショーも
撮影のエピソードなどを語る佐野さん(左端)ら
尾鷲市須賀利町を舞台にし、昨年10月に亡くなった若松孝二監督の遺作となった映画「千年の愉楽」の特別先行上映会が6日、津市の県総合文化センターで開かれた。
中上健次の同名小説が原作で、寺島しのぶさんが演じる助産婦「オリュウノオバ」が、美しい顔立ちで女性をひきつける家系に生まれた男たちの生涯を回想する物語。同町の風景がほぼそのまま映画に登場し、住民もエキストラとして撮影に参加した。
上映後、オリュウノオバの夫を演じた佐野史郎さんのほか、高良健吾さん、高岡蒼佑さん、井浦新さん、瀧口亮二さんによるトークショーも行われた。
佐野さんは、名張市生まれの江戸川乱歩の作品を愛読し、演技に行き詰まったときに、松阪市ゆかりの小津安二郎の映画を何度も見るなど、三重県との縁を感じているといい、「尾鷲は、体がゆったりする心地いい場所だった」と語った。
高岡さんも、一昨年秋に行われた撮影のエピソードを披露。「皆さんが差し入れを下さるなど、温かくしてくれた。須賀利には小さな町の家族感覚があり、特別な思い出に残る作品になった」と振り返った。
若松監督の葬儀で弔辞を読んだ井浦さんは、「若松監督は、お世話になった三重県でどこよりも先に上映しようとこだわっていた。若松監督は亡くなったが、監督の現場を経験した役者がいて、ここで皆さんに見てもらうことで作品も生まれ落ちた」と感慨深そうに話した。映画は3月9日から全国で公開される。
(2013年1月7日 読売新聞)
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